元代表監督ベナティからのエール：私は一番のファンであり続ける！

ダニエレ・ベンナーティ監督退任。イタリア自転車界の新たな風は吹くか？

イタリア自転車界に、また新たな動きがあったみたいだ。元プロスプリンターで、2022年からイタリア代表の監督を務めていたダニエレ・ベンナーティが退任。後任には、トラック競技で数々の実績を誇るマルコ・ヴィッラが就任することになった。

苦境に立たされたベンナーティ時代のイタリア代表

ベンナーティが監督に就任したのは、イタリア自転車界にとって決して楽な時期ではなかった。ヴィンチェンツォ・ニバリのような絶対的なエースが引退し、コブレッリも病に倒れ、GANNAやMilanのような選手はいるものの、かつてのような圧倒的な強さを見せつけることができなかった。

結果として、ベンナーティが率いたイタリア代表は、デカトロン・AG2Rラモンディアール チームやヨーロッパ選手権などの主要レースで、目立った成績を残すことができなかった。特に2024年のデカトロン・AG2Rラモンディアール チームでは、チッコーネが25位に終わるという屈辱的な結果に。ベンナーティ自身も、この結果には大きな失望感を抱いていたようだ。

謝罪と未来への願い

結果を受け、ベンナーティは自身のインスタグラムでファンに謝罪。「脚がなかっただけでなく、勝利への執着心が足りなかった」と率直に語り、イタリア代表への愛情と、未来への期待を語った。

新監督マルコ・ヴィッラへの期待

後任のマルコ・ヴィッラは、トラック競技で輝かしい実績を持つ名将だ。リオ五輪でのエリア・ヴィヴィアーニの金メダル、東京五輪での男子団体追抜きの金メダルなど、数々の栄光をチームにもたらしてきた。

ロードレース界での経験は少ないものの、その指導力とトラック競技で培った戦術眼は、イタリア代表に新たな風を吹き込むかもしれない。特に、東京五輪で活躍したキアラ・コンソンニやヴィットリア・グアジーニなど、トラック出身の選手たちとの連携に期待したいところだ。

イタリア自転車界の未来は？

ベンナーティの退任は、イタリア自転車界にとって一つの転換期となるだろう。ヴィッラの就任が、イタリア代表にどのような変化をもたらすのか。若手選手の育成、新たな戦術の導入、チーム全体の底上げ…期待は膨らむばかりだ。

もちろん、ヴィッラに全てを託すのではなく、イタリア自転車界全体で、選手育成や環境整備に取り組む必要があるだろう。ベンナーティが蒔いた種が、いつか大輪の花を咲かせることを願ってやまない。