これ以上何ができたのか」ポガチャルは全てを出し切った

ミラノ～サンレモ2025：タデイ・ポガチャルの完璧なアタックも、マチュー・ファンデルプールの壁は越えられず

日本の皆さん、こんにちは！松崎 愛です。今年もまた、ミラノ～サンレモの季節がやってきましたね。今年は特に、タデイ・ポガチャル選手の積極的な走りが光りました。しかし、結果はご存知の通り、マチュー・ファンデルプール選手が勝利。ポガチャル選手の勝利への執念と、ファンデルプール選手の冷静な強さが際立ったレースでした。

伝統を打ち破るポガチャルのアタック

今年のミラノ～サンレモ、タデイ・ポガチャル選手は従来のレース展開を覆すような大胆な戦略に出ました。通常、勝負どころとなるのは最後のポッジオの登りですが、ポガチャル選手はチプレッサの登りで驚異的なペースアップ！なんと、過去の記録を30秒以上も更新する8分55秒で駆け上がったのです。これはもう、アタックというより「異次元の加速」と表現した方が適切かもしれません。

ファンデルプールも認めるポガチャルの「完璧なレース」

その後も、ポガチャル選手は何度もアタックを繰り返し、他の選手たちを苦しめました。ライバルのマチュー・ファンデルプール選手も、「ポガチャルは完璧なレースをした」と認めるほど。しかし、リグーリア海岸に吹き荒れたスロベニアの嵐は、サンレモの街に勝利をもたらすことはできませんでした。

UAEチームエミレーツ・XRG監督「これ以上何ができたのか」

UAEチームエミレーツ・XRGのアンドレイ・ハウプトマン監督は、「ポガチャルは勝つために今日（昨日）できることすべてを、完全にやり尽くした。それでも足りなかった」と語っています。ポッジオだけではポガチャル選手が差をつけられないことは過去のレースで明らか。だからこそ、チプレッサでのアタックでライバルをふるい落とし、ポッジオでさらにアタックを仕掛けるという作戦に出たのです。

ファンデルプールの冷静さと、ポガチャルの挑戦

しかし、ファンデルプール選手はポガチャルのアタックに冷静に対応。ポッジオの登りでは、逆に500m手前でアタックを仕掛けました。UAEチームエミレーツ・XRGのホセアン・マトシン監督は、「タデイがあの状況で彼を置き去りにできるとは、一度も感じなかった。これ以上何ができたのかわからない」と悔しさを滲ませました。

ポガチャルのサンレモへの挑戦は続く

ポガチャル選手は、またしてもミラノ～サンレモの謎を解き明かすことができませんでした。しかし、彼は諦めません。ハウプトマン監督は、「彼はサンレモが自分にとって最も難しいモニュメントだと知っている。なぜ勝てないのかと人々が疑問に思っていることも耳に入っている。それが彼をイライラさせるが、彼は挑戦が大好きだから、ここで立ち止まることはない」と語っています。

マチュー・ファンデルプール選手も、「もしポガチャルが少しでも調子が悪ければ、彼は勝っていただろう。彼は世代に一人の才能だ。彼は非常に強いので、ここで勝つ方法を見つけるだろう。彼は勝つまで毎年挑戦し続けると確信している」と語っています。

来年こそ、タデイ・ポガチャル選手がミラノ～サンレモの頂点に立つ姿を見られるのでしょうか？ 今から来年のレースが楽しみでなりません！