ホセアン・フェルナンデス・マチン：「アユソにずっといてほしい」

マッツィン監督が語る、アユソへの愛情とチーム戦略

「アユソには、生涯UAE Team Emiratesにいてほしい」

スペインのスポーツ紙MARCAに掲載された、UAE Team Emiratesの**Joxean Fernández Matxin（ホセアン・フェルナンデス・マッツィン）**監督のインタビュー記事を読み解き、日本のロードレースファンに向けて、その内容を深く掘り下げていきたい。

マッツィン監督は、チームの戦略立案から選手育成まで、その手腕を発揮し、UAE Team Emiratesを現在の強豪チームへと押し上げた立役者だ。彼が語る言葉には、選手への深い愛情と、勝利への飽くなき追求心が溢れている。

「アユソには生涯いてほしい」マッツィン監督の熱い想い

フアン・アユソに対するマッツィン監督の評価は非常に高い。彼はアユソの才能を高く評価し、その成長を心から願っている。

「アユソは、生まれながらの才能の持ち主。彼には、不屈の精神と闘争心がある。もし私に決定権があるなら、彼は生涯UAE Team Emiratesにいるだろう」

アユソは、2024年のツール・ド・フランスでの不調の後、移籍の噂も囁かれたが、マッツィン監督との話し合いを経て、チームに残留。今シーズンは、ティレーノ～アドリアティコで総合2位に入るなど、目覚ましい活躍を見せている。

ポガチャルのミラノ～サンレモ３位をどう見たか？

今年のミラノ～サンレモは、マティュー・ファンデルプールが制し、タデイ・ポガチャルは3位という結果に終わった。マッツィン監督は、この結果をどう見ているのだろうか。

「チームには、攻撃的で現状に満足しないというDNAがある。タデイはそのDNAを最も体現している選手だ。我々は守りに入るようなレースはしない。ミラノ～サンレモでは、見応えのあるレースができたと思うが、最終的な結果は3位。それは決して満足できるものではない」

アダム・イェーツとの共同リーダー制、その戦略とは？

今年のジロ・デ・イタリアでは、アユソとアダム・イェーツの共同リーダー制が採用される予定だ。マッツィン監督は、この戦略について次のように語る。

「アユソとアダム、2人の重要なレースを一緒に走るようにカレンダーを組んだ。現時点では、フアンの方が調子が良い。アダムは非常に誠実な人間だ。彼に説明する必要はないだろう。フアンには、アダムに要求することをためらわないように言っている。ただし、それは相互的なものでなければならない。状況に応じて、お互いを助け合い、協力していく必要がある」

2025年の目標、そして未来への展望

マッツィン監督は、2025年の目標として、チームの更なる成長を掲げている。

「常にナンバーワンを目指している。それは、我々が常に伝えてきたことだ。昨年の成績を上回りたい。もし20人の選手で勝利を挙げたなら、今度は21人にしたい。81勝を挙げたなら、82勝を目指す。記録は常に意識しているが、それに固執することはない。フアンと共にジロに挑戦することは、我々にとって大きなモチベーションになる。それは、困難な目標を達成するための完璧な精神を与えてくれるだろう」

マッツィン監督の言葉からは、チームを更なる高みへと導こうとする強い意志が感じられる。彼のリーダーシップの下、UAE Team Emiratesは、今後もロードレース界を席巻する存在であり続けるだろう。日本のファンとしては、アユソの活躍、そしてチーム全体の戦略に注目し、声援を送りたい。