ベローナ、最年少から最年長へ

カルロス・ベローナ、円熟味を増してLidl-Trekへ：「Quick-Stepでは最年少だったのに」

「グローバル化、競争激化、そして目まぐるしい変化を続ける現代のロードレース界において、カルロス・ベローナは、献身的で信頼性が高く、思慮深い選手を象徴する存在だ」とは、スペインのスポーツ紙MARCAの言葉。

32歳を迎えたベテラン、カルロス・ベローナ。Lidl-Trek（リドル・トレック）での2シーズン目を迎える彼は、プロとして15シーズンを過ごした経験と、ハイレベルな要求と仕事への情熱のバランスを見つけた落ち着きを兼ね備えています。

先日開催されたボルタ・ア・カタルーニャの期間中、ベローナはMARCAのインタビューに応じ、落ち着いた口調で、まるで彼の言葉が自転車に乗る上で培ってきた成熟さの延長であるかのように語りました。

「再び勝利することに固執しているわけではない」と彼は率直に語ります。「本当に重要なのは、常に高いパフォーマンスを発揮し、チームの役に立ち、自分の仕事を楽しみこと。勝利はその時々の出来事に過ぎない」と付け加えました。

Movistarでの経験が転機に

しかし、その瞬間的な栄光への執着のなさは、決して諦めを意味するものではありません。ベローナは常に勝利を目指して戦っており、調子も上向きで、ゼッケンをつけるたびにそれを証明しています。「毎年レベルは上がっており、少しでも改善しなければ置いていかれる。幸いなことに、毎シーズン少しずつ良くなっていると感じている」と彼は確信を持って語ります。

ベローナは、チーム第一主義と常に献身的な姿勢を大切にしています。彼はMovistar（モビスター）時代を特別な思いで振り返り、そこで意識改革を成し遂げたと語ります。「Eusebio（エウセビオ・ウンスエ、チーム監督）から最初から多大なサポートを受けた。そこで自分の役割を楽しみ、アシストとしての価値を理解することを学んだ。国内の象徴的な選手たちとチームを共有し、彼らから多くのことを学んだ」

ベテランとしての自覚

今やベテランとして、若手選手の模範となる役割を担っています。「アルガルヴェでは初めてチーム最年長の選手になった。Quick-Step（クイックステップ）では最年少だったのに、ここでは最年長になったんだからね。でも気分は良い。自分の立ち位置がより明確になり、いつ前に出て、いつ控えるべきかを知っている。自転車に乗れる残りの年数を大切にしている。それは確実に、すでに過ごした時間よりも短いからね」

「勝利に固執するのではなく、チームに貢献することに集中したい」というベローナの言葉は、彼のプロフェッショナルとしての成熟度を物語っています。

サイクルロードレース界の未来

ロードレースの厳しさは、観客には見えにくい部分も多いとベローナは言います。「雨の日も、雪の日も、脚が痛む日も…それがプロセスの一部であることを理解している。常に心構えが必要だ。可能な限り最善の方法で自分を律しようと努める。調子が悪い日は、7時間ではなく3時間で済ませる。今あるカードで勝負するんだ」

最も大変なのは、肉体的な面だけでなく、精神的な面だと言います。「一番大変なのはライフスタイルだ。休息日も本当の休息ではない。常に食事、トレーニング、休息に気を配っている。目に見えないプレッシャーがある。サイクリストは1年のうち330日はサイクリストなんだ」

それでも、カルロスは冷静さを失いません。「子供の頃からの夢だった。プロとして15年になるが、すぐに人生で他のことをすることになるだろう。今は楽しんで、バランスを取りたい」

そのバランスは、Lidl-Trekでの役割でも見出しています。彼はチーム内で高く評価されていると感じています。「今シーズンで2年目だが、1年目は非常に良かった。ツールとブエルタに出場し、良いパフォーマンスを発揮した。チームもそれを理解してくれたので、関係は円滑に進んでいる。最近は契約期間が長くなる傾向にあり、それは皆にとって良いことだ。経験は簡単には得られないので、チームはそれを高く評価している」

ベローナは、現代のロードレースについて語る上で、信頼できる人物でもあります。彼は、黄金世代が時代を築いていることを誇りに思って見ています。「多くのショーがあり、ロードレースが人気になるのは良いことだ。テレビで見たクラシカissimaは素晴らしかった。一度も走ったことはないけれど、最後まで感動があって嬉しかった」

システムへの提言

しかし、彼はまた、システムに対する批判的な意見も述べています。「ポイント制は多くのことを変えてしまった。以前は誰もUCIランキングについて話していなかった。今は降格しないために、ランキングを意識し、時には争うことさえある。それはあまり好きではない。ロードレースの本質が失われることがあるからね。自由な走りが少なくなっている」

スポーツの将来について、ベローナは関心を示しています。「持続可能性について再考する必要がある。すべてはスポンサーシップに基づいており、それは良いことだが、もっと何かが必要だ。テレビ放映権、肖像権、マーチャンダイジングなど。何百万人ものファンがおり、彼らを巻き込む必要がある。チームはクラブのような会費制にすべきだ。モデルを現代化する必要がある」

スーパーリーグへの疑問

スーパーリーグ構想であるOne Cyclingプロジェクトについて質問されると、彼はあまり知らないことを認めました。「話し合いが行われていることは認識している。Lidl-Trekも参加していると思うが、確信は持てない。多くのチームが、より効率的で持続可能なものにするために、この状況をどのように変えるかを模索している」

彼はまた、スペインのロードレース界が前進していることを好意的に見ていますが、「Purito（ホアキン・ロドリゲス）、Contador（アルベルト・コンタドール）らがいた時代に戻るのは非常に難しいだろう」と認めています。グローバル化がルールを変えてしまったのです。「今日では、より国際的なチームがあり、多くの国籍の選手がいる。スペインの市場シェアは、15年または20年前のようなものではないことを受け入れる必要がある」

スペイン代表への夢、再び

アレハンドロ・バルベルデが代表監督に就任したことは、彼に楽観的な気持ちを与えています。「彼とは良い関係を築いている。まだ電話は来ていないが、遅かれ早かれ話すことになるだろう。彼には経験と人脈があり、良い役割を果たすことができるはずだ。スペインを代表することは誇りだ。長い間、その機会がなかった。Momparler（パスクアル・モムパレル、元代表監督）が以前、電話をくれたことがあったが、落車して行くことができなかった」

ベローナはまさに、ロードレースに対するグローバルな視点、常に向上心を持ち続ける姿勢、そしてスポーツの華やかさとは言えない側面にも意義とモチベーションを見出す素晴らしい能力を備えた、現代的なプロフェッショナルの模範と言えるでしょう。彼は、プロトン内外で確固たる地位を築いてきた、まさに一流のアシストなのです。