ジロ・アブルッツォ：オリヴェイラ最終ステージ勝利、ツィマーマン総合V

ジロ・デ・アブルッツォ最終日：逃げのドラマとゲオルク・ツィマーマンの総合優勝！

イタリア、アブルッツォ州を舞台に繰り広げられてきたジロ・デ・アブルッツォ。その最終日、第4ステージはコッロポリからイゾラ・デル・グラン・サッソまでの166km。平坦基調ながら、フィニッシュへ向かう最後の10kmは緩やかな上りが続くという、逃げ切りと集団スプリント、あるいは少人数のアタックが決まる可能性を秘めたコース設定でした。

総合リーダーは、前日のクイーンステージで素晴らしい走りを見せたゲオルク・ツィマーマン（Intermarché-Wanty）。ダビ・デラクルス la Cruz（Q36.5プロサイクリング チーム）に11秒、パブロ・トレスに18秒のリードを持って最終日を迎えました。この僅差は、ちょっとした動きでひっくり返る可能性もゼロではありません。Intermarché-Wantyとしては、何としてもこのリードを守り切りたいところ。さあ、どんな展開になるのでしょうか？

強力な逃げ集団、その顔ぶれは？

レースが始まって間もなく、今日のステージを狙う強力な8名の逃げ集団が形成されました。その中には、オランダのシュールト・バックス（Q36.5プロサイクリング チーム）と、UAE Emirates-XRGのイヴォ・オリヴェイラという、後の主役となる二人の姿がありました。彼らに加えて、ジョージ・ベネット（Israel-Premier Tech）、Federico Guzzo、アレクサンドル・バルマー、アレッサンドロ・トネッリ（チーム ポルティ・ビジットマルタ）、ジョエル・ズーター（Tudor）、マルティン・マルチェルージ（VF Group Bardiani-CSF Faizanè）といった実力者たちが名を連ねています。

総合で2分1秒遅れのジョージ・ベネットが含まれていたこともあり、メイン集団を牽引するIntermarché-Wantyは逃げ集団を完全に野放しにはしませんでした。しかし、逃げ集団も強力で、1分以上のリードを保ったままレースは終盤へと向かいます。このまま逃げ切るのか、それとも集団が飲み込むのか？緊迫した空気が漂い始めます。

バックスとオリヴェイラ、二人の攻防

終盤にかけて、逃げ集団内での動きが活発になります。特に存在感を見せたのが、シュールト・バックスでした。スパラッツァーノの軽い上りを越えた後、バックスはジョージ・ベネットらを引き離し、単独での逃げを図ります。おっと、これは面白い！バックスは力強い走りで後続を突き放しにかかります。

一瞬、この動きに乗り遅れたかに見えたイヴォ・オリヴェイラでしたが、さすがはUAE Emirates-XRGの選手。短いながらも強烈な加速でバックスに合流しました。これで先頭はシュールト・バックスとイヴォ・オリヴェイラの二人。メイン集団との差は約1分。フィニッシュまで残り10km、上り基調のフィナーレで、この二人が逃げ切る可能性がグッと高まりました。

メイン集団では、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネなどが牽引しますが、なかなか差が縮まりません。しかも、UAE Emirates-XRGとQ36.5プロサイクリング チームは、それぞれの選手が前にいるためか、集団のペースアップを妨害するような動きも見られます。「なるほど！これはチーム戦略ですね」と、思わず膝を打つような展開です。少しずつ差は縮まりますが、残り3km地点でもまだ20秒のリード。逃げ切りはほぼ確実となりました。

元チームメイト対決！劇的なスプリント

イゾラ・デル・グラン・サッソへ向かう最後の数キロは、じわじわと上りが続きます。シュールト・バックスとイヴォ・オリヴェイラの二人は、ステージ優勝をかけて互いを牽制し合います。特にバックスは、スプリント勝負に持ち込みたいオリヴェイラに先頭を譲ろうと、巧みな駆け引きを見せます。「さあ、どっちが仕掛ける？」「いや、まだだ！」息をのむ展開です。

そして迎えた最終局面。バックスはオリヴェイラに先頭を譲り、その背後からスプリントを狙います。しかし！イヴォ・オリヴェイラのパワーが炸裂しました！サドルに座ったまま、力強いペダリングで加速！シュールト・バックスは懸命に食らいつきますが、オリヴェイラの力強いスプリントには敵いませんでした。

結果、イヴォ・オリヴェイラがジロ・デ・アブルッツォで自身2度目となるステージ優勝を飾りました！「へぇ～、オリヴェイラは2勝目なんだ！」というトリビアに思わず感心です。一方、シュールト・バックスは惜しくも2位。「確かに！あれだけ頑張ったのに…」と、彼の悔しさが伝わってきます。しかし、逃げの展開を自ら作り出したバックスの走りも、本当に見事でした。

ゲオルク・ツィマーマン、栄光の総合優勝！

ステージ優勝争いが逃げ集団の二人に絞られたことで、メイン集団はタイム差を気にする必要がなくなりました。総合リーダーのゲオルク・ツィマーマン（Intermarché-Wanty）は、チームメイトに守られながら集団内で安全にフィニッシュ。前日のクイーンステージで手にしたリードを最後まで守り切り、見事にジロ・デ・アブルッツォ2025の総合優勝を決めました！

前日の山岳ステージでの力走が、この栄光に繋がったのです。「そうだったのか！」と、総合優勝の背景にあるドラマに改めて感銘を受けます。ゲオルク・ツィマーマン、素晴らしい走りでした！彼の今後の活躍にも、大いに期待したいところです。

ジロ・デ・アブルッツォは幕を閉じましたが、サイクルロードレースシーズンはまだまだ続きます。ブラバンツェ・パイルやアムステル・ゴールドレースといったクラシックレースも同時進行で熱戦が繰り広げられており、世界中のロードがドラマの舞台となっています。さあ、次はどんな興奮が待っているのでしょうか？一緒に追いかけていきましょう！