ジロ・デッラブルッツォ最終日：オリヴェイラ勝利、総合Vはツィンマーマン

ジロ・デ・アブルッツォ最終日：イヴォ・オリヴェイラがステージ連勝、総合はツィンマーマン！

イタリア、アブルッツォ州で開催されたジロ・デ・アブルッツォが閉幕しましたね。最終第4ステージは、167kmの丘陵コース。コルロポリからグラン・サッソの麓、サン・ガブリエーレ聖域へのフィニッシュでした。そして、この最終日を制したのは、またしてもあの選手でした。

UAEチームエミレーツ・XRGのイヴォ・オリヴェイラがステージ2勝目！

最終ステージ、フィニッシュ手前でのスプリント勝負を制したのは、UAEチームエミレーツ・XRGのイヴォ・オリヴェイラでした。彼は第2ステージに続く今大会2勝目。強いですね！ 特に驚きだったのは、彼がスプリントで競り勝った相手が、Q36.5のシュールト・バックスだったことです。シュールト・バックスは昨年まで、イヴォ・オリヴェイラと同じUAEチームエミレーツに所属していた選手。長年チームメイトとして一緒に走り、お互いの手の内を知り尽くしているであろう二人による一騎打ち。これはメカニックとしては、彼らのバイクの微細なセッティングの違いが勝敗を分けたのではないか、なんて想像してしまいます。例えば、最終局面での加速性能を最大限に引き出すためのギア比の選択や、タイヤの空気圧など、ほんのわずかな差が勝敗に影響した可能性も否定できません。イヴォ・オリヴェイラのこの勝利は、UAEチームエミレーツ・XRGにとって今シーズン30勝目だそうで、チーム全体の強さと、それを支える機材開発、そしてメカニックチームの献身的な仕事が実を結んでいる証拠だと感じます。

総合優勝はGeorge Zimmermann

そして、今大会の総合優勝は、IntermarchéのGeorge Zimmermannが獲得しました。最終ステージで大きな変動はなく、彼はリーダージャージを守り切りました。George Zimmermannは、派手な勝ち方をするタイプではないかもしれませんが、こういうステージレースで総合を獲れる選手というのは、本当に安定した力を持ち、チームの信頼も厚い選手だと思います。機材という視点で見ると、彼のバイクはきっと、特定の性能を尖らせるというよりは、あらゆる局面で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、非常にバランスの取れたセッティングが施されていたのではないでしょうか。総合2位にはQ36.5のダビ・デラクルスが11秒差で入り、3位にはUAEチームエミレーツ・XRGのパブロ・トレスが18秒差で続きました。総合上位に食い込む選手たちを見ていると、それぞれのチームが異なる戦略と機材アプローチでこのレースに臨んでいたことが垣間見えて、非常に興味深いです。

イタリアチームの健闘

イタリアのチームも健闘しました。VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネのフィリッポ・フィオレッリが総合5位に入っています。地元イタリアのレースで存在感を示すことは、チームにとっても選手にとっても大きな意味を持ちます。彼らのバイクも、イタリアの石畳や急勾配に対応できるよう、特別な調整がされていたかもしれませんね。イタリアチームがホームレースにかける情熱と、それを支えるメカニックたちの技には、いつも感銘を受けます。

このレースから見えたこと

ジロ・デ・アブルッツォは、決してグランツールのような規模ではありませんが、若手や中堅選手にとって重要なステップとなるレースです。ここで結果を出すことは、今後のキャリアに大きく影響します。イヴォ・オリヴェイラのステージ2勝、George Zimmermannの総合優勝、そして総合上位に入った選手たちの走りからは、来るべき大きなレースに向けたそれぞれのチームの準備状況や、選手のコンディションが見えてきました。特にイヴォ・オリヴェイラのように、スプリンターでありながら丘陵ステージでしっかりと勝ち切る力を見せる選手は、本当に貴重な存在です。彼のバイクは、瞬発力と持続力の両方を引き出せるような、繊細なバランスの上に成り立っているのだろう、そんな「機材の声」が聞こえてくるような気がします。

さて、このジロ・デ・アブルッツォが終わると、ロードレースシーズンはさらに熱を帯びていきます。今回のレースで活躍した選手たちが、次のレースでどんな走りを見せてくれるのか、そして彼らの駆るバイクがどんな進化を遂げていくのか、メカニックとしても、一ファンとしても、目が離せませんね！