セドリーヌ・ケルバオル、冒険の連続！

日本のサイクルロードレースファンの皆さん、こんにちは！山田健一です。今回はフランスのスポーツ紙「L'Équipe」の記事から、注目の女性サイクリスト、セドリーヌ・ケルバオルの新たな挑戦について深掘りしていきましょう。

セドリーヌ・ケルバオル、新天地でさらなる高みへ

セドリーヌ・ケルバオル。昨年のツール・ド・フランス ファムでステージ優勝を飾ったフランス人選手です。彼女が新たに挑むのは、EF Education-Oatlyというチーム。そして、ストラーデ・ビアンケを皮切りに始まるイタリアのクラシックレースです。自由な精神と高い志を持つ彼女の、新たな冒険に注目が集まっています。

「自分らしくいられる場所」EF Education-Oatlyへの移籍

ケルバオルは、ドイツのCeratizitに2年間在籍後、EF Education-Oatlyへ移籍しました。チームメイトとは英語やスペイン語でコミュニケーションを取り、多様な個性を受け入れるチームの雰囲気に魅力を感じているようです。「ここでは、誰からもジャッジされることなく、自分らしくいられる」と語っています。チームのスポーツディレクターであるCarmen Smallも、「彼女は自由な精神を持ち、チームのダイナミズムにうまく溶け込んでいる」と評価しています。

ツール・ド・フランスのステージ優勝、その裏側

昨年のツール・ド・フランス ファムでのステージ優勝は、ケルバオルにとって大きな転機となりました。しかし、彼女自身は「理想化された瞬間」とは少し違う感情を抱いていたようです。「みんな、お祝いムードで『最高にハッピーでしょう？』と言うけれど、実際は、吐き気がするほどの激しい疲労で、何が起こっているのかよくわからなかった」と、正直な気持ちを明かしています。

「怒り」を力に変えるメンタリティ

ケルバオルは、栄養学にも精通しており、レースにはキャンピングカーで乗り込むなど、プロフェッショナルな一面も持ち合わせています。しかし、彼女を突き動かす原動力は、それだけではありません。中学時代に受けたハラスメントを乗り越え、自転車競技に没頭することで自信をつけ、「怒り」を力に変えてきたのです。「スポーツは苦しいけれど、苦しむタイミングを自分でコントロールできる。ハラスメントから完全に抜け出したわけではないけれど、脳が『どうすればいいか？』を学んだ」と語っています。

目指すはマイヨ・ジョーヌ！ケルバオルの野望

ケルバオルは、自身の目標について多くを語りませんが、周囲の証言からは、リエージュ～バストーニュ～リエージュやミラノ～サンレモといったレースへの適性、そして何よりもツール・ド・フランスのマイヨ・ジョーヌへの強い思いが伝わってきます。親友であるセリー・ル・ムエルは、「彼女はマイヨ・ジョーヌを頭に描いている。ツールでの勝利と、新しいチームで学ぶことが、彼女をさらに成長させるだろう」と語っています。

ケルバオルの新たな挑戦は、まさに始まったばかり。彼女の自由な精神と強い意志が、どこまで彼女を導いてくれるのか。今後の活躍から目が離せませんね！