ログリッチ対アユソ、注目の対決！

ログラとアユソ、早くも火花！ ヴォルタ・ア・カタルーニャで見えた、ジロ・デ・イタリアの前哨戦

「ヴォルタの結果が、ジロへのメンタリティを変えることはない」と語るアユソ。しかし、その言葉の裏には、並々ならぬ決意が感じられる。

ヴォルタ・ア・カタルーニャ最終日、バルセロナのモンジュイックの丘で、ドラマが待っていた。プリモシュ・ログラが、残り20km地点から渾身のアタック！ それまでリーダージャージを守っていたフアン・アユソは、懸命に追走するも、わずかに及ばず。ログラがステージ優勝と総合優勝をかっさらっていった。

まるで、5月に開催されるジロ・デ・イタリアの前哨戦を見ているかのようだった。

ログラ、貫禄の勝利

ベテランのログラは、2023年にもレムコ・エヴェネプールを破り、ヴォルタを制している。今回の勝利で、その実力が衰えていないことを改めて証明した。レース後、「とても楽しめた。脚の状態も良い」と語ったログラ。高地トレーニングの成果が出ているようで、ジロに向けて万全の状態で臨む構えだ。

最終ステージは、強風の影響でコースが短縮され、厳しい山岳コースはなくなった。しかし、ログラはバルセロナ市街地のテクニカルなコースを、まるで自分の庭のように走りこなし、力強いアタックでライバルたちを圧倒した。35歳という年齢を感じさせない、その爆発力と勝負勘は、まさにレジェンド級だ。

アユソ、雪辱を誓う

一方、フアン・アユソは、2025年シーズンに入り、ティレーノ～アドリアティコや、ドローム、ライグエーリアといったレースで勝利を重ね、目覚ましい活躍を見せている。ヴォルタ・ア・カタルーニャでも、ログラを相手に一歩も引かず、ラ・モリーナのステージでは勝利を挙げ、最終日までリーダージャージを保持した。

最終ステージでは、チーム UAE Team Emirates-XRG が最初のスプリントポイントで連携をミス。アユソは、続くバルセロナのスプリントポイントで挽回を試みるも、不運にも落車に巻き込まれてしまう。「他の選手と接触してしまい、ポジションを落とした。ログラがアタックした時、僕は集団後方から追い上げていた。最後の坂は、僕には長すぎた」とアユソは語った。

しかし、アユソの才能に疑いの余地はない。UAE Team Emirates-XRG は、アユソをジロのリーダーとして全面的にサポートし、アダム・イェーツをセカンドエースとして配置する予定だ。チーム内では、「アユソの時代が来た」という声も上がっている。

ジロ・デ・イタリア、見どころ満載！

昨年のジロは、タデイ・ポガチャルが圧倒的な力を見せつけた。しかし、今年のジロは、ログラとアユソという、実力伯仲のライバル同士の対決が見られる。

経験豊富なベテラン、ログラが王座を守るのか。それとも、若き才能、アユソが下剋上を果たすのか。

ヴォルタ・ア・カタルーニャは、あくまで前哨戦に過ぎない。真の勝負は、5月のジロ・デ・イタリアで決まる。