フランドル人は進化したのか？

日本の皆さん、こんにちは！松崎 愛です。

今回は、フランスのスポーツメディア「L'Équipe」の記事を元に、フランドル地方のスペシャリスト、「フラフート」たちの進化について深掘りしていきたいと思います。

フラフートとは何者か？

「フラフート」という言葉、聞いたことはありますか？ これは、フランドル地方の石畳、風、雨に耐えうる屈強な選手たちのことを指します。しかし、近年、このフラフートの定義が変わりつつあるんです。

フラフートの変遷

かつては、文字通り「屈強」な体格の選手たちが多かったフラフート。しかし、最近では小柄な体格の選手たちがクラシックレースで活躍する機会が増えています。元プロ選手で、自身もフラフートとして名を馳せたニコ・マッタンは、「もはやフラフートは存在しない」とまで言い切ります。彼の言う「最後のフラフート」は、トム・ボーネンやヨハン・ムセウといった往年の名選手たち。彼らは、地元ベルギーのレースを隅々まで走り込み、パリ～ルーベのようなビッグレースでも勝利を重ねました。

マッタンは、「今の選手たちは、ベルギーで練習するよりも、テネリフェ島で過ごす時間の方が長い。ワウト・ファンアールトだって、フラフートじゃない！」と手厳しい。

現代のフラフート像

では、現代のフラフートとはどんな選手なのでしょうか？

マッタンは続けます。「フラフートとは、フランドルに住み、石畳を愛し、顔に雨を受けて走ることを厭わない、まさに戦士だ」と。フレディ・マルテンスのような選手こそが真のフラフートだと語ります。

一方で、フレデリック・ゲドンは、「石畳が好きで、もがき、コースを熟知していることが重要。そして、登りが得意ではないこと」と語ります。自身もパリ～ルーベで勝利を挙げているゲドンは、まさにフラフート体型。プロとして成功するためには、このタイプのレースを愛する必要があったと言います。

グルパマFDJのスポーツディレクターであるゲドンは、クラシックレースの選手たちの体格が変化していることを指摘します。「昔は、もっとゴツい選手が多かった。今でも何人かはいるけど、今は小柄なクライマータイプが増えている。ジュリアン・アラフィリップや、うちのヴァランタン・マドゥアスのような選手たちだね」

マチュー・ファンデルプール は現代のフラフートか？

もしマチュー・ファンデルプールがベルギー人だったら、完璧なフラフートだと言えるでしょう。昨年のヘント〜ウェヴェルヘムで優勝したマッズ・ピーダスンも、その資質を備えています。そして、フィリッポ・ガンナは、パリ～ルーベに特化した選手へと進化を遂げようとしています。タデイ・ポガチャルまでもが、4月13日のパリ～ルーベに参戦予定とのこと！

機材の進化も影響？

タイヤの進化も無視できません。以前は25mmだったタイヤが、今では32mmに。これにより、軽量級の選手たちも、以前ほど衝撃を受けずに走れるようになったのです。

ベルギーの育成戦略の変化

長年、ベルギーはマンモスのような体格の選手を育成することを優先していましたが、グレッグ・ヴァン・アヴェルマートによれば、「連盟は、アルデンヌ地方でクライマーを発掘することに力を注ぐようになった。以前のように、クラシックレースの選手だけではなくね」。

これからのフランドルクラシック

石畳、風、雨…フランドルクラシックは、決してバラ色の道ではありません。どんな体格、国籍の選手であろうと、強い選手が勝つ。それがフランドルクラシックなのです。

さて、今年のヘント〜ウェヴェルヘム、そしてロンド・ファン・フラーンデレン、パリ～ルーベでは、どんなドラマが待っているのでしょうか？ 楽しみでなりませんね！