組織体制への疑問符

エトワール・ド・ベセージュ、嵐の中の開催！ 安全確保に奔走する主催者たち

フランスのシーズン序盤を彩るステージレース、エトワール・ド・ベセージュ。しかし、今年は文字通り「嵐」に見舞われています。昨年の第1ステージは農家の抗議運動でキャンセル。そして今年は、なんとコースに車両が侵入するという前代未聞の事態が発生！ しかも、それが一度や二度ではないというから驚きです。

安全よりも大切なものはない？ 続々とリタイアするチーム

金曜日の第3ステージは、車両侵入により一時中断。その後、レースは再開されましたが、イネオス・グレナディアーズ、Soudal-Quick Step、Uno X Mobility、Lidl Trek、デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム、EF Education EasyPost、ユニベット・ティテマ・ロケッツといった名だたるチームが安全を優先し、リタイアを決断しました。

一体何が起こっているのでしょうか？ なぜ、ここまで安全が脅かされる事態になっているのでしょうか？

「フランス人選手たちは結束してくれた」 安全担当者の苦悩

主催者側の安全担当であるロマン・ルルーは、今回の事態に心を痛めているようです。「木曜日にも同様の事態が起こり、対策を講じたはずだったのに…」と語ります。しかし、残念ながら再び車両がコースに侵入。選手たちは安全ではないと判断し、リタイアという決断に至りました。

しかし、そんな状況下でもレースを続行した選手たちもいます。コフィディスのバンジャマン・トマは「もしここでレースを止めれば、エトワール・ド・ベセージュは消滅してしまう」と語り、レースへの参加を表明しました。

アルノー・ドゥリー Lie、混乱を制して勝利！

そんな混乱の中、ロットのアルノー・ドゥリー Lieが見事なスプリントを見せ、アルノー・デマールを破って勝利を飾りました。チームがわずか2名という状況で、リーダーを守り抜いたバティスト・ヴェストロファーの献身的な走りも光りました。

UCIへのメッセージ？ イヴ・ランパールトの複雑な胸中

Soudal-Quick Stepのイヴ・ランパールトは「ベセージュのような美しいレースが中止になるのは残念だが、安全が確保されていなかった。主催者とUCIにメッセージを送る必要があった」と語ります。

主催者の苦悩と今後の課題

コースを完全に封鎖できないエトワール・ド・ベセージュのようなレースでは、安全確保は非常に困難です。主催者は最大限の努力をしていますが、それでも事故を防ぐことはできません。

バンジャマン・トマは「主催者には真の意識改革が必要だ。閉鎖されたローカルサーキットや、物理的に人を配置できない小さな交差点にはバリケードやテープを設置するなど、対策を講じるべきだ」と訴えます。

今回の事件は、サイクルロードレースにおける安全確保の難しさを改めて浮き彫りにしました。今後のレース開催において、より一層の安全対策が求められることは間違いありません。

それにしても、明日の最終ステージ、モン・ブケの山頂ゴールは、雷雨、雨、さらには雪の可能性もあるというから、まさに「嵐」の中の戦いになりそうですね。一体どんなドラマが待ち受けているのでしょうか？