アユソ、膝に3針縫う

ジロ総合2位 フアン・アユソ、落車で膝を3針縫合！

イタリアを舞台に繰り広げられているジロ・デ・イタリア。熱い戦いが続く中、UAE Team Emiratesのフアン・アユソ選手が、第9ステージでの落車により右膝を負傷し、3針縫合したというニュースが入ってきました。総合2位につけ、絶好調だった彼に一体何があったのでしょうか。そして、この負傷は今後のレース展開にどう影響するのでしょうか。

激闘の「白い道」でアクシデント

落車が発生したのは、日曜日に開催されたジロ・デ・イタリア第9ステージ。この日は、イタリア中部のトスカーナ地方を舞台にした、通称「白い道（ストラーデ・ビアンケ）」を含む過酷なステージでした。未舗装の砂利道が選手たちを苦しめるこのステージで、フアン・アユソ選手は不運にも地面に叩きつけられてしまったのです。

テレビ画面越しにも痛々しい様子が伝わってきましたが、その後の診断で右膝に裂傷があり、3針縫う処置が必要となったとのこと。グランツール序盤の、しかも総合争いが本格化する直前での負傷は、チームにとっても本人にとっても、まさに悪夢のようなシナリオだったに違いありません。

3針縫合、本人のコメントは？

休息日となった月曜日、フアン・アユソ選手は記者会見に応じ、自身の状態について語りました。「本当にとても痛い」と率直に語る一方、彼は驚くほど冷静かつ前向きな姿勢を見せました。

「幸いなことに、今日は休息日だった。ポジティブな点は、筋肉ではなく純粋に骨への影響だということ。だから、もし痛みが引けば、パフォーマンスに大きな影響はないはずだ。筋肉じゃないからね」と彼は説明します。

トレーニングを開始した直後は心配だったものの、ホテルに戻る頃には落ち着きを取り戻した様子。「トレーニングで改善が見られるなら、それは単なる打撲で、それほど深刻なものではないだろう。落車は決して理想的ではないけれど、大丈夫だと思う」と、後半戦への意欲を覗かせました。このコメントからは、22歳という若さながら、一流選手としての精神的な強さが垣間見えます。

総合争いへの影響とUAE Team Emiratesの戦略

フアン・アユソ選手は、第7ステージで圧巻の勝利を飾り、総合でもチームメイトのイサーク・デルトロ選手に次ぐ2位、そして最大のライバルであるプリモシュ・ログリッチ（レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ）選手よりも上位につけるなど、絶好のポジションにいました。UAE Team Emiratesは、イサーク・デルトロ選手とフアン・アユソ選手の二枚看板でジロを制覇しようという明確な戦略を持っていましたから、今回のフアン・アユソ選手の負傷は、その計画に少なからず影響を与える可能性があります。

もちろん、彼のコメントを信じれば、この負傷が今後のパフォーマンスを大きく低下させることはないかもしれません。しかし、グランツールという過酷な戦いにおいては、小さな傷が後々響いてくることも少なくありません。特に、山岳ステージが本格化する後半戦では、体力の消耗も激しくなります。痛みを抱えながら、世界のトップ選手たちと競り合うのは並大抵のことではないでしょう。

UAE Team Emiratesとしては、総合首位のイサーク・デルトロ選手を軸にしつつ、フアン・アユソ選手の状態を注意深く見極めながら、柔軟な戦略を取っていくことが求められます。ライバルチーム、特にレッドブル・ボーラ・ハンスグローエやチーム ヴィスマ・リースアバイク（もし参戦していれば）、そして他の強豪チームも、この状況を注視しているはずです。

後半戦、フアン・アユソの走りに注目！

幸いにも休息日を挟んだことで、フアン・アユソ選手には回復のための時間が与えられました。彼の「大丈夫」という言葉を信じたいところですが、実際の走りがどうなるのかは、休息日明けのステージを見てみないと分かりません。

ジロ・デ・イタリアの総合争いは、まだ始まったばかりです。フアン・アユソ選手がこのアクシデントを乗り越え、再び力強い走りを見せてくれるのか。それとも、痛みが彼を苦しめることになるのか。そして、UAE Team Emiratesは、この状況下でどのようにレースをコントロールしていくのか。すべてのサイクルロードレースファンが、固唾を飲んで見守っています。後半戦も、一緒に熱く応援しましょう！