ジロ・デ・イタリア2025が開幕：ログラ対アユソだけじゃない

皆さん、ボンジョルノ！ 山田 健一です。

いよいよこの時が来ました。サイクルロードレースファンにとって、春の祭典、イタリアの地を舞台にした壮大なドラマが、再び幕を開けるのです。今年は少し趣向を変えて、アルバニアの地からスタートするというサプライズもありましたが、本質は変わりません。そう、ジロ・デ・イタリアの開幕です！

ピンクの旋風、108回目のコルサ・ローザが開幕！

今年のジロ・デ・イタリア、第108回目のコルサ・ローザは、例年にも増して熱い戦いが期待できそうです。特に注目は、総合優勝を巡る顔ぶれ。昨年覇者のプリモシュ・ログリッチがレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのエースとして帰ってきました。彼を迎え撃つのは、スペインの若き至宝、UAEチームエミレーツのフアン・アユソ。彼らの対決は、今大会の大きな目玉となるでしょう。

ログリッチ vs アユソ：経験と勢いの激突

2023年大会で劇的な勝利を収めたプリモシュ・ログリッチが、再びイタリアの地に戻ってきました。彼の勝負強さ、特に最終盤のタイムトライアルでの逆転劇は、皆さんの記憶にも新しいはずです。今大会、彼が率いるレッドブル・ボーラ・ハンスグローエは、2022年覇者のジャイ・ヒンドレーや、強力なクライマーであるダニエル・マルティネスを擁しており、まさに盤石の体制と言えます。経験に裏打ちされた彼らのチーム力は、大きなアドバンテージとなるでしょう。

対するは、若干21歳のフアン・アユソ。今年の彼は、開幕から圧倒的な強さを見せつけています。ティレーノ〜アドリアティコでの総合優勝を含む5勝は、その勢いを物語っていますね。彼にとって初めてのジロ・デ・イタリアですが、グランツールでの経験はブエルタ・ア・エスパーニャで既に積んでいますし、何よりその若さゆえの怖いもの知らずな走りは魅力的です。UAEチームエミレーツも、期待の若手イサーク・デルトロや、経験豊富なアダム・イェーツといった強力な布陣で彼をサポートします。ログリッチの経験とアユソの勢い。果たして、ピンクのジャージ、マリア・ローザに袖を通すのはどちらになるのか、今から楽しみでなりません。

総合表彰台を狙う実力者たち

しかし、今年のジロ・デ・イタリアは、ログリッチとアユソの二強対決だけで終わるほど甘くはありません。総合上位を虎視眈々と狙う実力者は、他にも多数います。スペインからは、ファンにはお馴染みのミケル・ランダやペリョ・ビルバオ、そして若手のアントニオ・ティベーリが、イタリアからは地元期待のジュリオ・チッコーネとダヴィデ・ピガンゾーリ、フランスからはダヴィド・ゴデュとロマン・バルデが有力候補として挙がっています。

そして、忘れてはいけないのが、かつてのチャンピオンたちです。2021年覇者のエガン・ベルナルは、大怪我からの完全復活を目指しており、その走りは多くのファンを感動させるはずです。さらに、2019年覇者のリチャル・カラパス、2014年覇者のナイロ・キンタナといったビッグネームもスタートリストに名を連ねています。彼らが再び頂点を極めることは容易ではありませんが、グランツールを制した経験は何物にも代えがたい強み。特に、ベテラン勢が若手にどう立ち向かうのか、その戦術や駆け引きには注目です。「なるほど！」と思わせるような、意外な動きが見られるかもしれませんね。

ステージ優勝を彩るスペシャリストたち

総合争いだけでなく、ステージ優勝争いも激化必至です。まずはスプリンターたち。マリア・チクラミーノ争いは、オラフ・コーイを中心に、カーデン・グローブス、ポール・マニエ、サム・ベネット、マッテオ・モスケッティらが挑みます。ナポリでの勝利経験があるコーイは有力ですが、他の選手たちも虎視眈々と勝利を狙っているでしょう。

そして、今回のジロ・デ・イタリアには、とんでもない選手たちが初出場します。ロードレース界のアイコン、ワウト・ファンアールトと、MTBやシクロクロスでも頂点を極めたトーマス・ピドコックです。イタリアの山岳で、彼らがどんな走りを見せてくれるのか。正直、想像がつきません。「へぇ～」と唸らせるような、規格外の走りを期待してしまいます。彼ら以外にも、2023年のミラノ〜サンレモ覇者マッズ・ピーダスンや、ディエゴ・ウリッシ、タコ・ファンデルホールン、ヤコブ・フルサンといったパンチャーやクラシック巧者が、ステージ優勝を狙います。

さらに、タイムトライアルも総合争いの重要な要素となります。欧州チャンピオンのエドアルド・アッフィニとジョシュア・ターリングを中心に、マティア・カッタネオ、ブランドン・マクナルティ、ジェイ・ヴァイン、ダーン・ホーレといったスペシャリストたちが、高速TTでタイム差をつけにくるでしょう。

アルバニアからローマへ、ピンクの旅路

今年のジロ・デ・イタリアは、イタリアを飛び出し、アルバニアのティラナで開幕します。ドゥラスからティラナへの初日、そしてティラナでの第2ステージと、異国の地でのスタートは新鮮ですね。そこからイタリア半島を縦断し、最終日はローマでのフィナーレを迎えます。山岳ステージ、タイムトライアル、スプリントステージがバランス良く配置されており、まさに総合力が試されるコース設定と言えるでしょう。

過去のジロの歴史を振り返ると、予想外の展開や、名もなき選手が突然輝く瞬間が何度も生まれてきました。今年のコースも、どこでドラマが生まれるか分かりません。「確かに！」と思わせるような、戦術的な駆け引きや、選手たちのコンディションの変化が、レースの行方を大きく左右するはずです。

すべてが整いました。第108回ジロ・デ・イタリア。熱戦の火蓋は切って落とされました。これから約3週間、我々はイタリア、そしてアルバニアの美しい景色と共に、選手たちが織りなす壮大なドラマの目撃者となるのです。果たして、最終的にピンクのジャージに袖を通すのは誰なのか。そして、どんな感動的なシーンが生まれるのか。今から胸が高鳴りますね！ 次回も、現場からの熱いレポートをお届けします。どうぞお楽しみに！