プロトンに新ルール！イエローカード導入

日本のサイクルロードレースファンの皆さん、こんにちは！モナコ在住の中村リサです。ヨーロッパのレースシーンは、もうすぐ開幕するベルギーのオープニングウィークエンドに向けて、熱気を帯びてきています。そんな中、選手たちはもちろん、私たちファンも、今年から導入されるいくつかの新ルールを頭に入れておく必要がありそうです。

ロードレース界に新風！2025年、注目の新ルールとは？

「安全性の向上」を旗印に、ロードレースの世界は常に進化を続けています。2025年は、特に目立った変更点として、イエローカード制度の導入、補給ルールの見直し、そしてフィニッシュ地点付近の安全対策が挙げられます。これらの変更は、レースの展開や選手の戦略にどのような影響を与えるのでしょうか？

1. イエローカード：ロードレース版VAR？

昨年テスト導入されたイエローカード制度が、いよいよ本格的に始動します。危険な行為で他の選手の安全を脅かしたと判断された場合、選手はイエローカードを受けます。カードは審判ではなく、レース後のコミュニケで発表されるのが特徴です。

ダニー・ファンポッペル選手は、ツール・ダウンアンダーですでにこのカードを経験済み。

気になるのは、そのペナルティの内容です。

• 1レースで2枚のイエローカード：失格＋7日間の出場停止
• 30日間で3枚のイエローカード：14日間の出場停止
• 1年間で6枚のイエローカード：30日間の出場停止

違反行為は20種類以上にも及び、選手だけでなく、チームスタッフやメディア関係者も処罰の対象となる可能性があるとのこと。まるでサッカーのVAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）みたいですね。この制度、賛否両論ありそうですが、安全なレース運営のためには必要なのかもしれません。

2. 補給ルールの見直し："腹が減っては戦はできぬ"は昔の話？

「走るためには、食べること、飲むことを忘れるな！」とは、名解説者ホセ・デ・カウワー氏の名言ですが、補給方法にも変更が加えられます。これまでは、チームカーからの頻繁な補給が見られましたが、今後は30～40kmごとに設定された指定補給ゾーンでのみ可能となります。これにより、安全性の向上はもちろん、チーム間の公平性を保つ狙いがあるようです。

つまり、レース中にいつでもどこでも補給できるわけではなくなるんですね。選手たちは、より戦略的に補給計画を立てる必要がありそうです。

3. フィニッシュ地点付近の安全対策：3kmルールから5kmルールへ？

平坦ステージの終盤、集団落車のリスクを軽減するために導入されている3kmルール。残り3km地点で落車やメカトラブルが発生した場合、タイムを失わないというルールですが、この「安全地帯」を5km地点まで拡大する案が検討されています。

これにより、総合上位を争う選手たちは、より早い段階で集団前方から離れることが可能になり、リスクを回避できます。

また、スプリント勝負において、チームメイトが勝利を確信して早めに祝福した場合、ペナルティが科されることも新たに定められました。最後まで気を抜けない、ということですね。

4. タイム差の計測：スプリントでのストレス軽減へ

集団内でタイム差が生じた場合の計測方法も変更されます。特にスプリントステージでは、選手間の間隔が3秒以内であれば、同じタイムとして扱われるようになります。これにより、常に前へ前へと進もうとする選手のプレッシャーやストレスを軽減することが期待されています。

ロードレース界の未来は？

今回のルール変更は、ロードレース界の安全性を高め、より公平な競争環境を整えるための第一歩と言えるでしょう。しかし、イヤホン（無線通信）の使用、沿道の安全確保、機材の規制など、まだまだ議論の余地がある課題も残されています。

これらの課題がどのように解決されていくのか、今後のロードレース界の動向から目が離せませんね！