ジロ2025：ワウト・ファンアールトが史上最高の10分間記録を更新

日本のサイクルロードレースファンの皆さん、こんにちは！グランツール担当の山田健一です。 現在、イタリアでは世界中の視線が集中する「ジロ・デ・イタリア」が熱戦を繰り広げています。特に、序盤は苦境に立たされていたあの男が、水面下で驚くべき進化を遂げていたことが判明しました。そう、チーム ヴィスマ・リースアバイクのワウト・ファンアールトです。彼のインスタグラムから飛び出したデータは、まさに衝撃的でした。

苦境の先に見えた光明：ワウト・ファンアールト、驚異のパワーデータ

今年のジロ・デ・イタリア、ワウト・ファンアールトは決して順風満帆なスタートを切ったわけではありませんでした。春先の落車による怪我の影響か、序盤は本来の彼らしい圧倒的な走りが影を潜め、多くのファンが「ワウトは大丈夫か？」と心配したことでしょう。私自身も、現場で彼の表情を追うたびに、その復調を心待ちにしていました。

しかし、彼の身体は確実に、そして静かに、最高の状態へと向かっていたようです。先日、彼が自身のインスタグラムで公開したトレーニングデータは、その復調ぶりを雄弁に物語っています。なんと、彼はこのジロのどこかのステージで、これまでのキャリアで最高の10分間平均パワーを叩き出していたのです。その数値は驚異の518ワット。想像できますか？10分間も500ワットを超える出力を維持するというのは、並大抵のことではありません。あのワウト・ファンアールトが、キャリアベストを更新するほどの状態にある。これは「なるほど！」と唸らされる、まさにサプライズでしたね。

数字が語る真実：進化を続ける怪物

ワウト・ファンアールトが公開したデータは、10分間パワーだけにとどまりません。同じステージで、彼は2025年の自己ベストとなる1分間平均852ワットも記録しています。さらに、5分間平均551ワットという数値も叩き出しており、これはトレーニングアプリ「TrainingPeaks」で銅メダルを獲得するほどの高水準。ただし、この5分間に関しては、今年すでに2度、これ以上のパワーを発揮しているとのこと。

ここで注目すべきは、これらの数値が「絶対ワット数」であるという点です。つまり、体重あたりのワット数ではありません。記事では、「過去に体重が軽かった時期には、もっと効率的なパワーを発揮していた可能性もある」と指摘しています。これは非常に興味深い視点です。「へぇ～」と思いませんか？選手がパワーを上げるといっても、ただ体重を増やして筋力をつけるだけでは、坂道でのパフォーマンスは落ちる可能性があります。しかし、ワウト・ファンアールトがこのジロでキャリアベストを更新したということは、彼が単にパワーを上げただけでなく、そのパワーをレースで最大限に活かせる「走れる体」を構築している証拠でしょう。このデータは、彼が単なるスプリンターやクラシックハンターに留まらず、グランツールでも戦えるオールラウンダーとしての進化を続けていることを示唆しています。

チーム ヴィスマ・リースアバイクの戦略とワウトの役割

ワウト・ファンアールトの復調は、チーム ヴィスマ・リースアバイクにとっても大きな意味を持ちます。今大会、チームはエースのタデイ・ポガチャルを擁するUAEチームエミレーツ・XRGに苦戦を強いられていますが、ワウトの存在感は日に日に増しています。彼の圧倒的なパワーは、集団牽引からアタック、そしてスプリントまで、あらゆる局面でチームを助けることができます。「確かに！」と頷けますよね。

彼のデータが示すように、ワウトはすでにトップコンディションに近い状態にあると見ていいでしょう。これは、今後のジロの展開、特に山岳ステージや難度の高い中級山岳ステージで、彼がどのような役割を果たすのか、そしてチーム ヴィスマ・リースアバイクがどのような戦術を繰り出すのかに大きな影響を与えるはずです。彼がブレイクアウェイに乗り、ステージ優勝を狙うのか、それともチームの総合エースをアシストするために、ここぞという場面でその驚異的なパワーを発揮するのか。チーム内の力学を読み解くのも、グランツールの醍醐味の一つです。

ワウト・ファンアールトのインスタグラム投稿は、彼がジロの表舞台では見せなかった「裏の努力」を垣間見せてくれました。「そうだったのか！」と驚きを隠せません。このデータは、彼がどれほど高いレベルで自己を追求しているか、そして、怪我からの復帰に向けてどれほどの覚悟で取り組んできたかを物語っています。

ジロ・デ・イタリアはまだ終わっていません。ワウト・ファンアールトのこの驚異的なデータが、今後のステージでどのような形で結実するのか、目が離せません。彼の「次も読みたい！」と思わせるような活躍に、大いに期待しましょう。