パリ～ルーベ2024：アランベールに安全策！

パリ～ルーベ：新コース、変わらぬスペクタクル、そしてアランベールでの安全性の向上

日本の皆さん、チャオ！松田翔太です。メカニックとして、あの石畳の振動を体で感じてきた僕が、パリ～ルーベの最新情報をお届けします。

122回目の開催を迎える「北の地獄」、パリ～ルーベ。今年もまた、あの悪夢のような石畳が選手たちを待ち受けています。しかし、今年は少し違う。アランベール・セクターに新たな変更が加えられたんです。

アランベールの森、その入り口の変化

アランベールの森は、パリ～ルーベの象徴。かつては炭鉱だった場所で、その歴史が石畳の過酷さを物語っています。今年は、そのアランベール突入前に、速度を落とすための4つの直角カーブが設けられました。昨年、物議を醸したシケインに代わる措置です。

アランベールへの突入速度は、時速70kmを超えることもありました。これはあまりにも危険。安全性を高めるための変更は、選手だけでなく、レース全体にとっても重要なことなんです。

なぜアランベールは特別なのか？

アランベールは、単なる石畳の道ではありません。そこには歴史があり、ドラマがあり、そして何よりも、選手の限界を試す試練があります。2300mの石畳を、可能な限り速いスピードで走り抜ける。振動を最小限に抑え、ハンドルを繊細に操り、他の選手の動きを予測する。まるで生き物のような自転車と一体になり、路面と対話する。それがアランベールなんです。

フィリッポ・ガンナとマチュー・ファンデルプール、そしてタデイ・ポガチャル

3年前にはフィリッポ・ガンナが、昨年はマチュー・ファンデルプールが、アランベールを先頭で通過しました。まるでジロのステルヴィオ、ツールのツールマレー峠を制覇するようなもの。そして今年、タデイ・ポガチャルが初めてパリ～ルーベに挑みます。彼の才能が、アランベールの石畳にどんなドラマを生み出すのか。今からワクワクが止まりません。

アンドレイ・チミルの言葉

1994年にパリ～ルーベを制したアンドレイ・チミルは、アランベールを「劇場の幕開け」と表現しました。「我々の目の前に開かれる悲劇の最初の場面」だと。まさに、その通り。アランベールは、パリ～ルーベという壮大なドラマの幕開けを告げる、特別な場所なんです。

今年のパリ～ルーベ、一体どんなドラマが繰り広げられるのか。目が離せませんね！