チーム ヴィスマ・リースアバイク、攻勢で「波乱」を狙う

ドーフィネ開幕から大荒れ！ チーム ヴィスマ・リースアバイク、ヴィンゲゴーのスプリント参戦で「混乱」を巻き起こす！

クリテリウム・デュ・ドーフィネの第1ステージ、モンリュソンで幕を開けたレースは、まさにチーム ヴィスマ・リースアバイクの「攻めの姿勢」を象徴する一日となりました。まさか、あのヨナス・ヴィンゲゴーが……集団スプリントの2位に食い込むなんて！ これにはチームメイトのセップ・クスも思わず「君はスプリンターになったのかい！」とツッコミを入れるほどの驚きと笑いが飛び交ったそうです。もちろん、逃げ集団が先に仕掛けていたため厳密な集団スプリントではありませんが、それでも彼が集団内でこれだけの順位を獲ったのは「初めてだ」とヴィンゲゴー自身も語るほど。この結果は、チームのディレクター・スポルティフ、アルトゥール・ファン・ドンゲンが「勝つために走った」と評価する、チーム全体の積極的な姿勢を具体的に示すものとなりました。マッテオ・ジョーゲンソンも「良い一日だったし、楽しかったね」と振り返る表情は、彼らの充実感を物語っていました。

チーム ヴィスマ・リースアバイク、積極的なレース運びの裏側

チーム ヴィスマ・リースアバイクが仕掛けた「混乱」は、ヴィンゲゴーのスプリントだけではありませんでした。口ひげがトレードマークのアメリカン、マッテオ・ジョーゲンソンは、133km地点の中間スプリントでボーナスタイムを狙って真っ先に動きました。惜しくもタデイ・ポガチャルのアシスト、ニルス・ポリッツに阻まれましたが、彼は「ボーナスタイムが獲れる限り、もちろん狙っていくよ。それが好きなんだ、ステージが早く終わる気がするからね」と、なんともユニークな理由を語っています。なるほど！ 意外な視点ですよね。

その後も、ベン・トゥレットがアクセル・ローランスやマキシム・ファンヒルスといった選手たちの動きに追従し、ブフォン峠でのアタックにも加勢。そして、レースを決定づけたのは、残り5.6km地点でのヨナス・ヴィンゲゴーのアタックでした。「調子が良かったし、最初の違いを作れると思ったんだ」と、彼が語るように、その動きはまさに電光石火。このヴィンゲゴーの積極的な走りに、ライバルであるタデイ・ポガチャルも「彼は良い状態だし、レースをしたい、自転車を楽しみたいと思っている。彼がこれまでとは違う走り方をして、より多くの熱意を見せていることを本当に嬉しく思うよ」とコメント。しかし、この言葉の裏には、ヴィンゲゴーのこれまでの「保守的」な戦略を批判してきたポガチャルならではの、ちょっとした皮肉も感じられます。へぇ～、ライバル同士の関係性って面白いですよね。

総合争いの行方とツールの前哨戦

初日の結果は、ボーナスタイムによってタデイ・ポガチャルがヴィンゲゴーに4秒、ジョーゲンソンに10秒のリードを奪う形となり、数字上はチーム ヴィスマ・リースアバイクにとって「期待外れ」だったかもしれません。しかし、このクリテリウム・デュ・ドーフィネの序盤で、チーム ヴィスマ・リースアバイクは「スズメバチ」軍団の多くの強みを見せつけました。UAEチームエミレーツが荒れたコースでやや手薄に見えたのに対し、チーム ヴィスマ・リースアバイクは集団での厚みを示しています。

セップ・クスは、水曜日の個人タイムトライアル（17.4km）後にはヨナス・ヴィンゲゴー、マッテオ・ジョーゲンソン、ベン・トゥレットが総合で良い位置につけるだろうと予測しつつ、自身は得意ではないと語っています。しかし、「今週末のステージは非常に厳しく、短い。だから本当にリスクを取って、全力でいけるだろう」と、今後の展開に期待を寄せています。アルトゥール・ファン・ドンゲンDSも、「誰もブレーキをかける必要はないし、もし多くのカードを切れるなら、なぜやらないんだ？ でも結局、最終日はポガチャル、レムコ・エヴェネプール、そしてヨナスといったビッグネームたちの戦いになるだろう」と、冷静に分析しています。昨年のドーフィネでプリモシュ・ログリッチに8秒差で2位だったマッテオ・ジョーゲンソンについては、「重要な役割を果たすことができる」とDSは太鼓判を押しています。

ジョーゲンソン自身も、「今日と同じように、皆でレースをして、我々の数で勝負する」と力強く宣言しています。彼はこの数週間、非常にシャープで興奮している様子。「我々は皆、ツールでポガチャルを倒せると思っている。そうでなければ、ここにいる意味がないからね」と、その言葉には並々ならぬ自信がみなぎっていました。確かに！ この自信はどこから来るのでしょうか？

クリテリウム・デュ・ドーフィネは、ツールの前哨戦として常に注目されますが、今年のチーム ヴィスマ・リースアバイクは、その期待をはるかに超える「攻め」の姿勢を見せています。彼らの戦略は、単なる勝利以上の「混乱」を生み出し、レースをより予測不能でエキサイティングなものにしようとしているようです。この「蜂の巣」軍団が、今後ドーフィネで、そしてツール・ド・フランスでどんな「破壊」を巻き起こすのか、松崎 愛は瞬きもせず追い続けます！ 次のステージも、目が離せませんよ！