世界王者、サンレモを制す難しさ

サンレモと世界チャンピオンの呪い：虹色のジャージはなぜ難しいのか

イタリアの春のクラシック、ミラノ～サンレモ。通称「クラシックissima（最もクラシック）」と呼ばれるこのレースは、例年スプリンター向きと言われながらも、最後のポッジオの登りでアタックが決まったり、意外な伏兵が飛び出したりと、ドラマチックな展開を見せてくれます。しかし、このレースには、ある種の「呪い」が存在するのをご存知でしょうか？

それは、世界チャンピオンが勝てない、というジンクスです。

世界チャンピオン、サンレモを制すは至難の業

記事によると、ミラノ～サンレモの115回の歴史の中で、世界チャンピオンが勝利したのはわずか5回。アルフレッド・ビンダ（1931年）、エディ・メルクス（1972年、1975年）、フェリーチェ・ジモンディ（1974年）、ジュゼッペ・サロンニ（1983年）の4人だけなのです。サロンニ以降、実に42年間も世界チャンピオンがサンレモを制していないというのは、驚くべき事実です。

ツール・ド・フランスでフランス人選手が勝てない期間（ベルナール・イノーの1985年以降）が、フランス国内でどれだけ大きな話題になっているかを考えれば、このサンレモの世界チャンピオンの呪いが、いかに根深いものか想像できるでしょう。

ファンデルプールも届かず。ポガチャルは？

2024年の世界チャンピオン、マチュー・ファンデルプールも、チームメイトのヤスペル・フィリプセンをアシストし、自らは勝利を手にすることができませんでした。そして今年、タデイ・ポガチャルがこのジンクスに挑みます。過去2年間、3位、4位と好成績を収めているポガチャルは、まさに「勝利」という言葉しか知らない男。彼をスカウトしたのは、なんとあのジュゼッペ・サロンニだというから、これは何かの因縁でしょうか。

「花」の都サンレモで、ポガチャルは「花」を咲かせることができるのか？

クラシックレースの奥深さ

ミラノ～サンレモのようなクラシックレースは、単なるスプリント勝負だけではありません。過去のデータ、選手のコンディション、チームの戦略、そして運。様々な要素が複雑に絡み合い、予想外の結果を生み出すのが魅力です。世界チャンピオンの呪い、というのも、そうしたクラシックレースの奥深さを象徴するエピソードと言えるでしょう。

今年のミラノ～サンレモ、ポガチャルがジンクスを打ち破るのか、それとも新たなドラマが生まれるのか。目が離せませんね！