ペラヨ・サンチェス、アストゥリアス一周とジロを欠場 回復は最終段階へ

期待の若手、Pelayo Sánchezが病と闘う：ブエルタ・ア・アストゥリアス、そしてジロ欠場へ

ツールやジロ、ブエルタといったグランツールを中心に取材を続ける山田 健一です。今回は、スペインの期待の若手、Pelayo Sánchezに関する残念なニュースをお伝えします。アストゥリアス出身の彼が、地元のビッグレースであるブエルタ・ア・アストゥリアスを欠場することが明らかになりました。さらに、当初出場が計画されていたジロ・デ・イタリアも見送られるとのこと。その原因は、ライム病とそれに続いた帯状疱疹という、アスリートにとっては非常に厳しい病との闘いです。

病との厳しい闘い

ライム病は、マダニによって媒介される感染症で、激しい疲労感や筋肉、関節の痛みを引き起こします。これは、ロードレースという極限まで肉体を追い込む競技において、致命的とも言える症状です。Pelayo Sánchezは、このライム病からの回復過程で、さらに帯状疱疹を発症したとのこと。帯状疱疹は免疫力が低下した際に現れやすく、神経に沿った激しい痛みを伴います。想像しただけでゾッとしますよね。まさに踏んだり蹴ったり、若き才能にとって試練の時と言えるでしょう。

期待の若手、これまでの足跡

Pelayo Sánchezは、現在25歳。まだ若いながらも、そのアグレッシブな走りで多くのファンを魅了してきました。特に記憶に新しいのは、2024年のジロ・デ・イタリアでのステージ優勝でしょう。あの粘り強いクライミングと、最後の力を振り絞るスプリント。鳥肌が立ちましたね。「おぉ、またスペインから面白い選手が出てきたぞ！」と、現地でも話題になったものです。

ブルゴス・BHでプロキャリアをスタートさせ、着実に実績を積み上げてきた彼は、2024年からワールドツアーチームであるモビスター チームに移籍しました。名門チームでの1年目から、ジロでの勝利に加え、トロフェオ・ポジェンサ - ポルト・ダンドラッチでの優勝、ツール・ド・スイスでの総合11位、そして昨年のブエルタ・ア・アストゥリアスでのステージ優勝と総合8位など、輝かしい成績を残しています。彼がモビスター チームにとって、今後の山岳エース候補の一人であることは間違いありませんでした。

回復への道と今後の展望

MARCAが把握している情報によれば、Pelayo Sánchezの回復自体は順調に進んでいるとのことです。しかし、ライム病と帯状疱疹という二重の病を乗り越え、再びトップレベルのフィジカルを取り戻すには、まだ時間が必要です。

彼にとって、地元のブエルタ・ア・アストゥリアスで声援を受けられないのは、さぞ悔しいことでしょう。そして、ジロでの連覇、あるいはさらなる飛躍を期していたであろうモビスター チームにとっても、計算外の出来事だったはずです。関係者の話では、チームはPelayo Sánchezの復帰を焦らせることなく、万全の状態でレースに戻れるようサポートしていると言います。

今はとにかく、彼が完全に健康を取り戻すことを祈るばかりです。彼の持ち味である果敢なアタックと粘り強さは、きっと病気からの回復においても力となるはずです。

再びペロトンを駆け上がる日を待つ

今回の欠場は残念ではありますが、長いキャリアを考えれば、ここでしっかりと休養し、体調を立て直すことが何よりも重要です。Pelayo Sánchezが再びペロトンに戻り、トレードマークであるクライミングで観客を沸かせる日が来ることを、今から楽しみに待ちたいと思います。焦らず、じっくりと。そして、その日には、今日欠場したレースでの無念を晴らすような、素晴らしい走りを見せてくれると信じています。