旧知の人物が率いる米新プロチーム、プロトン参入

ヒンカピー兄弟が描く新たな夢

2026年シーズンに向けて、新たなアメリカのプロチームがロードレース界にその姿を現すことになります。このプロジェクトを牽引するのは、他でもないジョージ・ヒンカピーとその兄リチャードです。彼らはこの新チームのオーナーとなり、そして驚くべきことに、ヒンカピー兄弟が手がけるアパレルブランド「Hincapie Sports」が、チームのウェアを全てプロデュースするというのです。単なるスポンサーシップに留まらない、まさに彼らの「夢」が詰まったチームとなるでしょう。

リチャード・ヒンカピーは、かつてヒンカピー・レーシングチームを率いた経験があり、その手腕は折り紙付きです。そして、今回のマネジメントには、さらに二人のアメリカ人元プロ選手が加わります。一人は現在クラブチームのレギオンで走るタイ・マグナー、もう一人は元BMC、CCC、そしてQ36.5プロサイクリングに在籍していたジョーイ・ロスコーフ。この二人は、10年以上前にジョージ・ヒンカピーの開発チームでキャリアをスタートさせた、いわば彼の「教え子」たちなのです。師弟関係が再び結ばれ、若き日のヒンカピーが彼らに注いだ情熱が、今度は彼ら自身の経験となってチームを支える。これこそが、このチームが持つ深いストーリーであり、ただのビジネスではない「へぇ～」と唸らせる背景だと私は感じています。

プロチーム昇格への野望と戦略

新チームが目指すのは、UCIプロチームライセンスの獲得です。これはワールドチームに次ぐカテゴリーですが、侮ってはいけません。彼らは単年での結果だけでなく、6カ年計画という長期的な視野でチームを構築していくと報じられています。現時点ではメインスポンサーの詳細は明かされていませんが、水面下ではすでに2026年シーズンに向けた選手獲得が活発に進められているとのこと。この動きの早さ、そしてスポンサー未定ながらも選手集めに奔走する姿は、彼らの本気度を物語っています。

さらに興味深いのは、チームの拠点をスペインのジローナに置く計画です。アメリカのチームでありながらヨーロッパに本拠地を構えるのは、まさに世界のロードレースの中心で戦うという強い意志の表れ。ワールドチームへの昇格も視野に入れていることは間違いありません。最初のシーズンは最低人数の20人の選手でスタートする予定ですが、そのうち10人以上はアメリカ人選手を起用する方針だそうです。これは、アメリカ自転車界の底上げと、若手育成への明確なコミットメントであり、「確かに！」と共感を覚える戦略です。

「アメリカの象徴」ヒンカピーが担う役割

ジョージ・ヒンカピーといえば、長きにわたりアメリカ自転車界の顔として活躍した選手です。モトローラ時代からキャリアを築き、特にランス・アームストロングの忠実なアシストとしてツール・ド・フランスを駆け抜けた姿は、多くのファンの記憶に深く刻まれています。彼の引退後も、そのレースに対する洞察力は衰えることを知りません。例えば、以前ワウト・ファンアールトのレース戦術について「なぜいつも彼がすべての仕事をこなすのか？」と疑問を呈するなど、鋭い視点からレースを分析する彼のコメントは、常に注目を集めてきました。

そんな彼がチームのマネジメントに深く関わることは、単なる名前貸しではありません。彼の持つ経験、人脈、そして何よりも選手たちへの深い理解と愛情が、この新チームの根幹を築くことでしょう。アメリカ人選手を多く起用するという方針も、彼自身が若手時代に経験した苦労や、アメリカ自転車界の未来を真剣に考えているからこそ。「そうだったのか！」と、彼のキャリアの軌跡と今回の挑戦が鮮やかに結びつくのを感じます。

ロードレース界に吹き込む新たな風

この新アメリカプロチームの登場は、ロードレース界に新たな風を吹き込むこと間違いなしです。特に、近年低迷気味と言われるアメリカのロードレースシーンにとっては、まさに起爆剤となるでしょう。ジローナを拠点とすることで、ヨーロッパのレースへの参加も容易になり、将来的にはグランツールでの活躍も期待されます。

現在、クリテリウム・デュ・ドーフィネやツール・ド・スイス・ウィメンといった主要レースが進行中ですが、こうしたトップレベルの戦いに、新たなアメリカの息吹が加わる日はそう遠くないかもしれません。SNSでもこのニュースは大きな反響を呼んでおり、ファンもきっと沸き立っていることでしょう。かつてのヒンカピー・レーシングチームの選手たちが成長し、今度はマネジメントとしてチームを率いるというストーリーは、まさにロードレースが持つドラマそのものです。

来週には、このプロジェクトの正式発表が行われるとのこと。どんなメインスポンサーがつくのか、そしてどんな選手たちが名を連ねるのか、今から胸が高鳴りますね。「次も読みたい！」と皆さんに思ってもらえるよう、私も引き続き、現地からの最新情報にアンテナを張っていきたいと思います。この新チームが、ロードレース界にどんな旋風を巻き起こすのか、共に見守っていきましょう。