砂漠を走るってどんな感じ？ 灼熱の体験記

砂漠の真ん中で繰り広げられる異質なレース体験：ツール・デ・UAEの舞台裏

「まるで異世界…！」

UAE（アラブ首長国連邦）を舞台に開催されるツール・デ・UAE。砂漠の真ん中で繰り広げられるこのレースは、選手たちにとって特別な体験のようです。今回は、そんなツール・デ・UAEの舞台裏を、ソーシャルメディアの投稿や選手たちのコメントから紐解いていきましょう。

砂、砂、そして砂…果てしなく広がる絶景

レースの舞台となるのは、首都アブダビの西に位置するマディナ・ザイード。そこは、どこまでも続く砂漠地帯です。選手たちは、地平線を切り裂く送電線や、整然と並んだヤシの木々といった、普段見慣れない景色の中を駆け抜けます。

ポール・セクサス選手は、「こんな場所でレースをするなんて初めて。景色や雰囲気を楽しんでいます。まさに体験ですね！」と語ります。一方、アドリアン・プティ選手は、「最初の暑さにやられました…」と苦笑い。「練習とは違って、砂漠のど真ん中でレースをするのは極限状態に近いですね」と、その過酷さを語っています。

砂漠の中のオアシス：最新技術が光るスタート地点

スタート地点となったのは、最新技術を駆使した巨大な発電所。25万枚以上のソーラーパネルが敷き詰められた光景は圧巻です。500万立方メートルもの砂を移動させて建設されたというから驚きです。

アドリアン・プティ選手は、「プロになって15年、こんな場所を発見できるのは嬉しいですね。目に飛び込んでくる景色が新鮮です」と語ります。

単調に見えても、常に何かが起こるレース展開

砂漠地帯を走るため、単調なレース展開になるかと思いきや、選手たちは常に集中力を保たなければなりません。ポール・セクサス選手は、「リーワ周辺のサーキットに入ると、常に緊張感があり、何か起こるんじゃないかと気が抜けませんでした」と語っています。

デカトロン・デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム La Mondialeの若手選手（18歳）にとっては、ワールドツアーデビュー戦。チームの監督であるシリル・デセル氏は、「戦略やレース展開という点では、年間で最も面白いレースとは言えないかもしれません。世界トップクラスのスプリンターが集まっていますからね」と語ります。

しかし、オーストリア出身のフェリックス・ガル選手は、ヨーロッパでのレースではなく、ツール・デ・UAEを選びました。「ここではタイムトライアルや山頂フィニッシュがあるので、パリ〜ニースに向けて最高の状態で臨むことができるんです」と、その理由を説明しています。

ヨーロッパのシーズンに向けた準備の場

ウィリアムジュニア・ルセルフ選手は、「景色は本当に美しい。ヨーロッパのシーズンに向けて、良い状態で準備するためにここに来ました。1、2レースなら良いけど、シーズンを通してこんな感じだと飽きちゃうかも（笑）」とコメント。ツール・デ・UAEは、選手たちにとって、単なるレース以上の意味を持っているようです。

ツール・デ・UAEは、砂漠という特殊な環境の中で、選手たちの新たな一面を引き出すレースなのかもしれません。今後のレース展開にも注目していきたいですね！