ポガチャル、怪物（オーグル）の帰還

タデイ・ポガチャル、まるで怪物！？ UAEツアーでライバルたちを震え上がらせる

昨シーズン、歴史に残るような活躍を見せたタデイ・ポガチャル。その彼が、今年もUAEツアーで圧倒的な強さを見せつけようとしています。ライバルたちは、まるで最初から2位争いを覚悟しているかのよう。一体何がそうさせているのでしょうか？

他の選手を寄せ付けない圧倒的な存在感

ミラノ発のエティハド航空機内で、UAEチームエミレーツのジャージを見た選手たちは、タデイ・ポガチャルがいないことに安堵したかもしれません。しかし、彼は一足先にアブダビ入りしていたのです！UAEチームエミレーツにとって母国であるアラブ首長国連邦のレースで、彼はすでに2度も優勝しています。チームメイトやスポンサーは彼の存在を喜んでいますが、他の133名の選手たちは、内心穏やかではないでしょうね。

ライバルたちの諦めムード

記者会見での一幕。タデイ・ポガチャルを中心に、ヤスペル・フィリプセン、ジョナタン・ミラン、ティム・メルリール、レナルト・ファンイートヴェルト、ペリョ・ビルバオといったUAEチームエミレーツの選手たちが並びました。昨年の覇者であるレナルト・ファンイートヴェルトは、「タデイが出場するとなると、2位争いになるのは覚悟の上」とコメント。ペリョ・ビルバオも「登りでは彼に勝つのは不可能だ」と、早々に白旗を上げているようです。

この状況に、UAEチームエミレーツのマネージャーであるマウロ・ジャネッティも驚きを隠せない様子。「彼らが本気でそう思っているのか、それともただの迷信か…」と、冗談めかして語っていました。一方のタデイ・ポガチャル本人は、「毎シーズン、自分の調子には不安がある。でも、昨年と同じようなシーズンになることを願っている」と謙虚な姿勢を見せています。

ジュリアン・アラフィリップも脱帽！？

ジュリアン・アラフィリップは、タデイ・ポガチャルの昨シーズンを「スペクタクルだった」と評し、「彼はまだ20%のポテンシャルしか発揮していないと聞いた」と笑っていました。ストラーデ・ビアンケ、チューリッヒ、イル・ロンバルディア、そしてジロ・デ・イタリアでの圧倒的な勝利、ツール・ド・フランス3勝。彼の活躍は、他の選手たちに諦めと畏敬の念を抱かせているようです。

ヴァランタン・マドゥアス「できるだけ長く彼に食らいつくしかない」

「彼がいると、2位を目指して走るようなもの。期待はするけど、どうすることもできない。彼には余裕がありすぎるんだ。パンクしても追いついて、また引き離すことができる。だから、できるだけ長く彼に食らいつくしかないんだ」。そう語るのは、今年の夏のオリンピックで2位、2022年のツール・デ・フランドルで3位に入ったヴァランタン・マドゥアス。彼のような実力者でさえ、タデイ・ポガチャルに勝つのは難しいと感じているのです。

ライバルたちはポガチャルを避ける！？

「タデイがシーズン終盤に見せたような走りをするなら、マチュー・ファンデルプールでさえクラシックでは勝ち目がないと分かっているはずだ」とヴァランタン・マドゥアスは言います。タデイ・ポガチャルを避けるために、彼の出場レースを避けて自身のスケジュールを組む選手も出てくるかもしれません。ジュリアン・アラフィリップは、「そんなことになったら、別のスポーツに転向するしかない！」と反論していましたけどね。

若手のピエール・ゴーテラも、「タデイが出場するからミラノ～サンレモに出たくないとは言わない。でも、彼がいると難しいのは確かだ。それでも、自分にはまだチャンスがあると思っている。それが、雨の中での練習を頑張る理由なんだ」と語っています。

エウェン・コステューは、昨年のジロ・デ・イタリアでタデイ・ポガチャルに追い抜かれた時のことを鮮明に覚えているようです。「あの時、僕は絶好調だった。でも、タデイに追い抜かれた瞬間、『この男は別次元だ』と思った。まるで僕が苦しんでいるのを見て、かわいそうに思っているような目つきだったよ（笑）。そんな彼とレースをする意味があるのか、自問自答してしまうよね」。

チーム ヴィスマ・リースアバイクのクリストフ・ラポルトは、「UAEチームエミレーツが圧倒的に強かったのは事実だが、彼らが全てを勝ったわけではない。我々はパリ～ニースとティレーノ～アドリアティコを制覇した。ツール・ド・フランスでは、ヨナス・ヴィンゲゴーがタデイの前でステージ優勝した。彼が常に強いなら、どうすればいい？我々は彼と戦うために全力を尽くす」と語気を強めます。

マルク・ヒルシは、昨年までタデイ・ポガチャルのチームメイトでした。「彼について行こうとすると、爆発して何も残らない。賢く走れば2位になれる。彼が病気になるかもしれないし、調子が悪いかもしれない。でも、その差を埋めるのは非常に難しい。だから、勝ちたいという夢はあるけど、現実的にならざるを得ない」。

エウェン・コステューは最後にこう付け加えました。「タデイに追い抜かれた時、彼は僕に同情しているような目をしていた。その後、僕は彼のような男と競争するために何をしているのだろうかと思ったよ（笑）」。

さあ、皆さん、どう思いましたか？ タデイ・ポガチャルの圧倒的な存在感は、今年もサイクルロードレース界を席巻するのでしょうか？ 今後のレース展開から目が離せませんね！