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アユソ、ティレーノ~アドリアティコへ勢いよく挑む

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アユソ、ティレーノ~アドリアティコへ好調な状態で乗り込む

ファウン・ドローム・クラシックとトロフェオ・ライグエーリアで勝利

フアン・アユソが、2つのレースでの勝利を引っ提げ、ティレーノ~アドリアティコへの準備万端といった様子だ。2024年は総合2位に終わっているだけに、今年は更なる高みを目指すだろう。

レースの見どころ

2025年のティレーノ~アドリアティコは、リド・ディ・カマイオーレをスタート地点とし、7日間で1147kmを走破する。このレースは、その距離とコースレイアウトから、その年のジロ・デ・イタリアの前哨戦と見なされることが多い。今年も多くの有力選手が参加を予定しており、目が離せない展開となりそうだ。

有力選手たちの思惑

今年のレースには、ナイロ・キンタナ、ミハウ・クフィアトコフスキー、サイモン・イェーツといった過去の優勝者に加え、フアン・アユソやジャイ・ヒンドレーといった若手実力者も名を連ねる。特にアユソは、直近のレースでの好調ぶりから、優勝候補の筆頭と言えるだろう。

マチュー・ファンデルプールは、ミラノ~サンレモに向けた調整として出場。トーマス・ピドコックは、ストラーデ・ビアンケでの2位入賞の勢いそのままに、ティレーノ~アドリアティコでも好成績を目指すだろう。リチャル・カラパス、ダヴィド・ゴデュ、そしてアダム・イェーツといった実力者たちも、アユソ率いるUAE Team Emiratesの一員として、レースを盛り上げることだろう。

スペイン勢の活躍にも期待

今年はフアン・アユソに加え、ミケル・ランダとペリョ・ビルバオというスペイン人選手にも注目したい。ミケル・ランダは、Soudal Quick Stepのリーダーとして、シーズン序盤の調子を試す。ペリョ・ビルバオは、ストラーデ・ビアンケでの5位入賞を経て、更なる飛躍を目指す。

また、アレックス・アランブルとヨン・イサギレはコフィディスの、ダビ・デラクルスはQ36.5の、クリスティアン・ロドリゲスはArkeaのメンバーとして、それぞれチームを牽引する。

波乱を呼ぶ可能性を秘めたステージ

レースは、リド・ディ・カマイオーレでの11.5kmの個人タイムトライアルで幕を開ける。その後、スプリンター向けのステージ、オールラウンダー向けのステージが続き、最終的にはフロントニャーノの山頂ゴールが総合優勝争いを大きく左右するだろう。特に、平均勾配7.8%、最大勾配12%を超える山頂ゴールは、アユソやランダといったクライマータイプの選手にとって、大きなチャンスとなるはずだ。

誰が最初のリーダージャージに袖を通すのか、そして誰が最終的に「ネプチューンの三叉槍」を手にするのか。ティレーノ~アドリアティコ2025は、今年も見逃せないレースとなりそうだ。

山田 健一

山田 健一

グランツールステージレースWorldTour

グランツールを中心に、ヨーロッパの主要レースを担当。イタリア、フランス、スペインの三カ国の言葉を自在に操り、現地メディアの微妙なニュアンスまで読み解く。特派員時代に培った人脈と、独自の視点を組み合わせることで、選手たちの表情や声のトーンから次の展開を予見することも。15年以上の取材経験から紡ぎ出される記事は、データと感性の絶妙な調和が特徴。アンドラ公国に別荘を持つという噂は真偽不明だが、ピレネー山脈の天気変化を誰よりも早く感じ取る不思議な能力の持ち主。