2025年クリテリウム・デュ・ドーフィネ：完全ガイド

ツール・ド・フランス前哨戦、ドーフィネの舞台

クリテリウム・デュ・ドーフィネは、ツール・ド・フランスの約1ヶ月前に開催される、UCIワールドツアーカテゴリーのステージレースです。その名の通り、フランス南東部のドーフィネ地方を舞台とし、総距離1199.6kmにわたる8日間の戦いが繰り広げられます。今年のスタート地点はドメラ、そしてフィニッシュはモン・スニ高原という、まさにツール・ド・フランス本番さながらの厳しい山岳フィニッシュが待ち構えています。このレースは、選手たちがツールの最終調整を行う場であり、チームにとっては戦術やコンディションを測る絶好の機会。特に総合系ライダーにとっては、自身の現在の立ち位置を確認し、ライバルたちの調子を探る上で極めて重要な意味を持つ大会なのです。このドーフィネでのパフォーマンスが、そのままツールの勢力図に直結すると言っても過言ではないでしょう。

激戦必至！豪華すぎる出場選手たち

今年のドーフィネの最大の目玉は、やはりレムコ・エヴェネプール、タデイ・ポガチャル、ヨナス・ヴィンゲゴーという、現代ロードレース界を牽引する3人のスーパースターが揃って出場することです。彼らがツール・ド・フランスの表彰台を争った記憶も新しい中、この前哨戦でどのような駆け引きを見せるのか、今から楽しみでなりません。タデイ・ポガチャルはジロ・デ・イタリアでの圧倒的な勝利を経て、疲労が残る中でどこまでコンディションを上げてくるのか。一方、怪我からの復帰を目指すヨナス・ヴィンゲゴーとレムコ・エヴェネプールは、このドーフィネでどこまで本来の力を取り戻しているのかが焦点となります。彼らにとって、このレースは単なる調整ではなく、ツールに向けた心理戦の始まりでもあるでしょう。また、一部ではマチュー・ファンデルプール der Poelの出場も噂されていますが、彼がどのような形でこのレースに臨むのかも、スプリントや起伏のあるステージでの見どころとなるはずです。

注目すべきコースプロフィールと各ステージの見どころ

今年のクリテリウム・デュ・ドーフィネは、序盤にスプリンターやパンチャー向けのステージが配置され、中盤には17.40kmの個人タイムトライアル（第4ステージ）が控えています。このタイムトライアルは総合争いの行方を大きく左右するでしょう。そして、レース終盤の第6、第7、第8ステージは、それぞれコンブルー、ヴァルメニエ、モン・スニ高原といった厳しい山岳フィニッシュが設定されています。特に最終日のモン・スニ高原へのフィニッシュは、ツール・ド・フランスのクイーンステージを思わせるような壮絶な戦いが予想されます。これらの山岳ステージで、総合系ライダーたちは互いにアタックを仕掛け、タイム差をつけようと試みるでしょう。

| 日付 | Rit | From | To | 距離 | | :--- | :--- | :--- | :--- | :--- | | 08.06 | 1 | ドメラ | モンリュソン | 195.80 km | | 09.06 | 2 | プレミラ | イソワール | 204.60 km | | 10.06 | 3 | ブリウド | シャラントネイ | 207.20 km | | 11.06 | 4 | シャルム・シュル・ローヌ | サン・ペライ | 17.40 km | | 12.06 | 5 | サン・プリエスト | マコン | 183.00 km | | 13.06 | 6 | ヴァルセルオーヌ | コンブルー | 126.70 km | | 14.06 | 7 | グラン・アルグブランシュ | ヴァルメニエ | 131.60 km | | 15.06 | 8 | ヴァル・ダルク | モン・スニ高原 | 133.30 km |

過去の覇者たちと2024年の熾烈な戦い

クリテリウム・デュ・ドーフィネの歴史を振り返ると、ツール・ド・フランスの優勝者がその前哨戦としてこのレースを制しているケースが少なくありません。近年では、ヨナス・ヴィンゲゴー（2023年）やプリモシュ・ログリッチ（2024年、2022年）が優勝しており、彼らがツールで活躍したことを考えると、ドーフィネの重要性がよく分かります。

特に記憶に新しい2024年大会では、プリモシュ・ログリッチ（BORA - hansgrohe）が総合優勝を飾りました。彼の粘り強い走りは、多くのファンを魅了しましたね。僅か8秒差で2位に入ったマッテオ・ジョーゲンソン（チーム ヴィスマ・リースアバイク）の活躍も光りました。さらに、3位には伏兵のデレク・ジー（Israel - Premier チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ）が食い込み、レムコ・エヴェネプール（スーダル・クイックステップ）も7位にランクインするなど、総合争いは最後まで目が離せない展開でした。

クリテリウム・デュ・ドーフィネ 過去の優勝者

• 2024年 プリモシュ・ログリッチ
• 2023年 ヨナス・ヴィンゲゴー
• 2022年 プリモシュ・ログリッチ
• 2021年 Richie Porte
• 2020年 Daniel Felipe Martinez
• 2019年 ヤコブ・フルサン
• 2018年 ゲラント・トーマス
• 2017年 ヤコブ・フルサン
• 2016年 Christopher Froome
• 2015年 Christopher Froome

いざ、ツール・ド・フランスへ！ドーフィネが示す未来

今年のクリテリウム・デュ・ドーフィネは、例年以上に「ツール・ド・フランスの試金石」としての意味合いが強いでしょう。レムコ・エヴェネプール、タデイ・ポガチャル、ヨナス・ヴィンゲゴーの「ビッグ3」がどのようなパフォーマンスを見せるのか、そして彼らのチーム、例えばUAEチームエミレーツ・XRGやチーム ヴィスマ・リースアバイクがどのような戦略で臨むのか、その全てが夏のグランツールに向けての重要なヒントとなるはずです。

特に、RIDE Magazineの夏号には、タデイ・ポガチャルとヨナス・ヴィンゲゴーのチームを率いるMauro Gianetti氏とTim Heemskerk氏の対談が掲載されているとのこと。彼らがどのようにしてそれぞれの選手をツール・ド・フランスに導くのか、その裏側を知ることで、今年のドーフィネ、そしてツール・ド・フランスがさらに面白くなること間違いなしです。

さあ、ツール・ド・フランスの序章とも言えるこのドーフィネ、皆さんも私と一緒に、その行方を熱く見守りましょう！果たして、今年の覇者は誰になるのか、そしてツールに向けての「真の王者」の姿が垣間見えるのか。来週も、現地からの最新情報と深い洞察をお届けしますので、ご期待ください！