第15ステージ：コース、高低差、通過時刻

序盤の静けさから一転、牙を剥くイタリアの山岳

第15ステージは、フィウメ・ヴェネトをスタートし、最初の約100kmは比較的平坦なヴェネト州の田園地帯を進みます。クレスパーノ・デル・グラッパまでは、集団は比較的落ち着いたペースを保ち、逃げ集団が形成されるかもしれませんね。しかし、そこから景色は一変します。まずはムーロ・ディ・カ・デル・ポッジョという短いながらも強烈な壁が選手たちを待ち受け、脚にジワリとダメージを与えてくるでしょう。このあたりから、集団の緊張感は一気に高まるはずです。

モンテ・グラッパ、その真の顔とは？ 戦術眼が試される難所

ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジョを越えると、選手たちはロマーノ・ダッツェリーノから、このステージ最大の難所であるモンテ・グラッパへと挑みます。ストラーダ・カドルナ経由で登る25km、平均勾配5.8%という数字だけ聞けば、それほどでもないように感じるかもしれません。しかし、ここが「なるほど！」と思わせるポイントです。Ramboglic氏のコメントにもあるように、このモンテ・グラッパは3つのパートに分かれていて、最初の7kmが平均8%という急勾配！ その後10kmの緩やかな偽平坦区間を経て、最後の7kmも平均6.5%と再び牙を剥きます。

確かに、ステージ中盤に位置するため、総合リーダーたちがここで決定的な動きを見せる可能性は低いかもしれません。しかし、合計獲得標高3850mという数字は伊達ではありません。この長く、そして勾配の変化に富んだ登坂は、選手たちの脚を確実に削り取ります。そして何より、「へぇ～」と唸らせるのは、このステージが逃げ集団にとって絶好のチャンスとなり得るという点です。タフなクライマーたちが、このモンテ・グラッパで勝利への足がかりを築こうと、激しいバトルを繰り広げることでしょう。

最終局面の心理戦！アジアゴの記憶が蘇るドラマチックな結末へ

モンテ・グラッパの頂上からアルシエへの長くテクニカルな下りを終えると、この日最後の主要登坂、ドーリ（16.3km、平均勾配5.5%）が待っています。ここをクリアすれば、あとはゴールまで残り約20km。しかし、これがまた一筋縄ではいきません。起伏に富んだコースは、選手たちの戦術的センスを問う最終試験となるでしょう。ガッリオを過ぎてからの最後の5kmは緩やかな下りですが、ゴールまで残り900mで緩やかな上り坂が始まります。そして、最終コーナーはゴール300m手前という、まさにスプリント力と位置取りが問われるレイアウト。

「そうだったのか！」と驚きを隠せないのは、このアジアゴが、我らがティボー・ピノが2017年のジロで劇的な勝利を飾った、彼にとって忘れられない場所であるという歴史的背景です。あの時の興奮が蘇りますね！ 今回もまた、アジアゴの地でどんなドラマが生まれるのか、想像するだけで胸が高鳴ります。

タフネスと集中力の限界に挑む219km！

フィウメ・ヴェネトからアジアゴまでの219km、そして累積獲得標高3850m。この第15ステージは、選手たちのタフネスと集中力が限界まで試される一日となるでしょう。午前11時25分のスタートから、ゴールの午後5時30分頃まで、一瞬たりとも目が離せません。

このステージが、続く山岳週を前にした重要な試金石となることは間違いありません。総合勢は温存するのか、それとも隙を突いて仕掛けるのか？ 逃げ集団からは、誰が英雄となるのか？ 次の展開への期待が膨らみますね！ 皆さんもぜひ、テレビの前で、あるいは現地で、この熱い戦いを見守ってください！