UCI、ワンサイクリング計画を承認せず
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松崎 愛です！ 皆さん、サイクルロードレースの世界は常に動いていますね。今回、飛び込んできたのは、まさに「激震」とも言えるニュースです。国際自転車競技連合（UCI）が、一部のトップチームと主催者が推進してきた巨大プロジェクト「One Cycling」を、なんと「非互換性」と「スポーツ的整合性の欠如」を理由に拒否すると発表したんです。
24時間365日、世界中の自転車レース情報を追いかける私、松崎 愛の目には、この決定が今後のロードレース界の未来を大きく左右する、重要な転換点として映っています。一体何が問題だったのか、そしてこの先、何が起こるのか、深掘りしていきましょう。
UCIの断固たる「NO」！ その背景にあるものとは？
6月12日、フランスのモルビアン県アルゾンで開催されたUCI管理委員会で、衝撃の決定が下されました。2026年以降の男女ワールドツアーカレンダーに「One Cycling」プロジェクトを含めないことを、全会一致で決定したというのです。
UCIのデヴィッド・ラパルティアン会長は、AFP通信に対し「あまりにも不明瞭で、我々の規則に適合しない点が多すぎた」と語っています。特に問題視されたのは、プロジェクトが特定の投資ファンドと連携し、一部のチームがレースを部分的に所有するという点。これはUCIの現行レギュレーションでは完全に禁止されている行為なんです。スポーツのガバナンスと商業的な利益のバランス、ここが大きな論点になったのは間違いありません。
夢か、それとも支配か？「One Cycling」の野望
では、この「One Cycling」とは、そもそもどんなプロジェクトだったのでしょう？ その背後には、サウジアラビアの政府系ファンド（PIF）からの巨額の資金注入が計画されていました。複数の情報源によると、2026年から3年間で約3億ドル（約260億円）もの資金が投入される予定だったというから驚きです。
このプロジェクトを推進していたのは、サイクルロードレース界の経済モデル改革を求める一部の有力チーム。具体的には、ワウト・ファンアールトらを擁するチーム ヴィスマ・リースアバイク、そしてイネオス・グレナディアーズ、EFエデュケーション・イージーポストといったビッグネームが名を連ねていました。彼らは2023年秋からコンサルティング会社を起用し、新たな投資家探しを進めていたんです。
彼らの描くビジョンは、レース主催者や関係機関が一丸となり、カレンダーを再編し、新たなレースを創設することで、新たな収益源を生み出し、それを参加者間で分配するというもの。一見すると、チームの財政基盤を強化し、スポーツ全体を活性化させる夢のような計画に聞こえます。しかし、UCIはこれに「スポーツ的整合性の欠如」という厳しい評価を下しました。
UCIが懸念した「二速度システム」の危険性
UCIが最も危惧したのは、このプロジェクトが「二速度システム」、つまり「One Cycling」に属するレースとそうでないレースとの間に大きな格差を生み出す可能性でした。ラパルティアン会長は、「攻撃的な意図が明確だった」とまで言い切っています。もしそうなれば、一部の資金力のあるチームやレースだけが潤い、そうでないチームやレースは取り残されてしまう。これは、ロードレースが持つ多様性や、誰もがトップを目指せる公平性を損なう可能性を秘めていました。
SNS上でも、この問題は大きな議論を呼んでいます。「自転車はもっと開かれた、誰もがアクセスできるスポーツであるべきだ」という声もあれば、「商業化なしには、チームの運営も選手のキャリアも成り立たない」という現実的な意見も。まさに、スポーツの本質とビジネスの狭間で揺れるロードレース界の縮図がここにあります。
終わらない対話、未来への布石
UCIは今回、One Cyclingプロジェクトを全面的に拒否したものの、完全に門戸を閉ざしたわけではありません。「ワールドツアーカレンダーの国際化とスポーツの経済的発展のために、プロジェクトの代表者たちとの議論を継続したい」という意向も示しています。これは、今回の拒否が「終わり」ではなく、「新たな交渉の始まり」であることを示唆していると言えるでしょう。
サイクルロードレースは、伝統と革新が常にせめぎ合う世界です。マリアンヌ・フォスのようなレジェンドから、次世代を担う若手まで、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できる環境をどう整えるか。そして、何より私たちファンが、いつまでもこの素晴らしいスポーツを楽しめるようにするにはどうすればいいのか。
この「One Cycling」を巡る動きは、まさにその問いに対する答えを模索する、現在進行形の物語です。今後、UCIと各チーム、そして主催者たちがどのような歩み寄りを見せるのか、引き続き注視していきましょう。私たちも、この動向から目が離せませんね！
