コッピ、イノー、ジルベール：重くならずに存在感

日本の皆さん、こんにちは！山田健一です。

今回は、石畳のクラシックレース、パリ～ルーベをちょっと違った角度から見ていきたいと思います。フランスのスポーツ紙「L'ÉQUIPE」の記事を参考に、過去の優勝者たち、それもちょっと異質な体格の持ち主たちに焦点を当ててみましょう。

パリ～ルーベを制した異端児たち

「北の地獄」と称されるパリ～ルーベ。ごつごつとした石畳、容赦ない泥、そして予測不能な天候が選手たちを苦しめます。屈強な男たちが泥まみれになりながらゴールを目指す姿は、まさにロードレースの醍醐味。しかし、この過酷なレースを制した選手の中には、一見すると「パリ～ルーベ向きではない」と思えるような、意外な体格の持ち主もいたのです。

コッピ、長身痩躯の「鳥人」

1950年、ファウスト・コッピがパリ～ルーベを制しました。当時の記事には「水鳥が細い脚を石畳で折るのではないか？」と書かれたそうです。しかし、ファウスト・コッピは石畳を「走る」のではなく「飛ぶ」ように駆け抜けました。まるでサスペンションのように衝撃を吸収し、サンミシェル・プレフェンスホーム・オベール93 WE-trainerをものともしなかったと言います。記事は彼を「ロードの神」と称え、パリ～ルーベが彼に勝たれて光栄だとまで書いています。

「アナグマ」イノー、執念で北の地獄を制す

1981年、世界チャンピオンジャージに身を包んだベルナール・イノーがパリ～ルーベに挑みました。「アナグマ」の異名を持つ彼は、当時65kgと、ライバルたちに比べて軽量でした。記事には「ベルナール・イノーの脅威」という見出しが躍り、石畳での安定性を疑問視する声も上がりました。しかし、ベルナール・イノーは巧みなバイクコントロールと、石畳の衝撃を吸収する柔軟性で、ロジャー・デ・ブラミンクらを抑えて優勝。軽量級でもパリ～ルーベを制せることを証明しました。

Tchmil、不屈の闘志で泥濘を制す

1994年、アンドレイ・チミルが優勝。彼の体重は67kg。記事は彼の勝利を「偉大な孤独な偉業」と称え、泥に覆われた石畳を克服する彼の姿を「自然の力を打ち破る」と表現しました。長年の努力が実を結び、頑丈な体格と不屈の闘志で、彼はパリ～ルーベの栄冠を手にしました。

ジルベール、カメレオンのような適応力

そして2019年、フィリップ・ジルベールがパリ～ルーベを制覇。アルデンヌクラシックのスペシャリストである彼が、石畳のレースで勝つとは、誰も予想していなかったでしょう。当時36歳、69kgと、決して大柄ではない彼は、ツール・デ・フランドル前に体調を崩し、体重を落としていたと言います。記事は彼の勝利を「マイラーが200m走に招待されたようなもの」と表現し、並外れた適応力と、最後のベロドロームでの経験が勝利をもたらしたと分析しました。

まとめ：体格だけではない、パリ～ルーベを制する要素

これらの例からわかるように、パリ～ルーベを制するためには、屈強な体格だけではなく、優れたバイクコントロール、柔軟性、そして何よりも勝利への強い意志が必要不可欠です。

今年のパリ～ルーベはどんなドラマが待っているのでしょうか？軽量級の選手が、再びサプライズを起こすのか？それとも、屈強な男たちが力でねじ伏せるのか？今から楽しみでなりません！