ジロ・デ・イタリア 第4ステージ プロフィール

ジロ・デ・イタリア2025 第4ステージ展望：いざイタリア本土へ！スプリンターたちの高速バトル

ジロ・デ・イタリアはアルバニアでの熱狂的な3日間を終え、いよいよ海を渡ってイタリア本土へと帰ってきました。第4ステージは、イタリア南部のプーリア州、おとぎ話のような円錐形の屋根を持つ「トゥルッリ」で有名なアルベロベッロから、美しいバロック建築の街レッチェまでの189km。ここはもう、純粋なスプリンターたちが主役となる舞台です。

山田 健一より アルバニアでの開幕は非常に興味深かったですね。特にアップダウンのあるコースでの総合勢の動きや、逃げ切りの可能性など、初日から見どころ満載でした。しかし、ジロは長丁場。選手たちも少し落ち着きたい頃でしょう。第4ステージは、そんな彼らにとって、そして我々ファンにとっても、少し肩の力を抜いて楽しめる一日になるかもしれません。ただし、「楽しめる」というのは、総合争いから解放されるという意味であって、ステージ優勝争いは最高潮の盛り上がりを見せるはずです。

イタリア帰還、そして平坦ステージの恩恵

長いキャラバンが海を渡り、イタリアの地を踏む。これぞジロ・デ・イタリアの醍醐味の一つです。第4ステージは、獲得標高がわずか800mという、ほぼ完全な平坦コース。アルバニアでの起伏に富んだコースから一転、脚自慢のスプリンターたちにとっては待ちに待ったチャンス到来と言えるでしょう。

この日は、総合系の選手たちはメイン集団の中で安全にフィニッシュすることに集中するでしょう。落車やメカトラのリスクを最小限に抑えたいからです。特に、第2ステージで不運な落車に見舞われたミケル・ランダ（モビスター チーム）のような選手にとっては、こうした平坦なステージは体力を回復させ、リズムを取り戻す貴重な機会となります。

コースを読み解く：南イタリアの広々とした道と市街地の罠

スタート地点のアルベロベッロは、世界遺産にも登録されている魅力的な街です。そこから南へ向かうコースは、基本的に広々とした直線的な道路が多いようです。これは高速で集団走行するには適していますが、風向きによっては横風のリスクも考慮しなければなりません。特に南イタリアは海岸線が近い場所も多く、意外な方向から風が吹くこともあります。

コース中盤、プティニャーノには短いながらもこの日唯一と言えるような登りがありますが、これはスプリントトレインを組む上で位置取り争いが一時的に激しくなる可能性はあっても、スプリンターが脱落するような厳しさはありません。

注意すべきは、フィニッシュ地のレッチェに近づいてからの市街地セクションです。記事にもある通り、ロータリーや中央分離帯、歩行者エリアといった障害物が多くなります。集団が高速で突入する中で、こうした箇所での位置取り争いは非常に危険を伴います。少しでも油断すると、あっという間に集団後方に追いやられたり、最悪の場合は落車に巻き込まれたりします。

最終局面に注目！スプリントの駆け引き

レッチェ市街地に入ると、フィニッシュラインを一度通過し、約12kmの周回コースを1周します。この周回コースは、各チームが最終スプリントに向けて隊列を整える重要な区間となります。事前にコースを熟知しているチームは、有利な位置取りを狙うために、この周回でペースアップを仕掛けることもあります。

そして、フィニッシュ前3kmからは完全に平坦。ここで各チームのスプリントトレインが最終形態に移行し、時速60kmを超えるような超高速バトルが繰り広げられるでしょう。記事によると、残り1200m地点に大きなカーブがあるとのこと。このカーブを先頭でクリアできるかどうかが、勝負を大きく左右するポイントとなりそうです。カーブ出口からフィニッシュラインまでは十分な距離があり、また最後の300mは幅広の直線とのことですから、純粋な最高速勝負になりやすいレイアウトと言えます。

しかし、幅広だからこそ、複数のトレインが並び立ち、混沌としたスプリントになる可能性も秘めています。UAEチームエミレーツ・XRGのような強力なトレインを持つチームが主導権を握るのか、それとも他のチームが隙を突くのか。スプリンター個人の力だけでなく、アシストの連携、そして一瞬の判断力が試される、まさに芸術的な駆け引きが見られるはずです。

明日は第5ステージで再び少し起伏が増えるため、この第4ステージは有力スプリンターにとって、序盤戦の大きな目標の一つとなるでしょう。どのチームが完璧なリードアウトを決めるのか、そして誰が勝利のガッツポーズを見せるのか、目が離せません！