ジロがイタリアへ帰還：ペデルセン輝き、アユソ有力視、ランダには試練

ジロ・デ・イタリア、アルバニアの熱狂を終えてイタリアへ：ペデルセンの輝き、アユソの期待、そしてミケル・ランダの残酷な運命

異国の地で幕を開けたピンクのレースは、早くもドラマ満載。プリモシュ・ログリッチが主導権を握る中、スペイン勢は明暗が分かれました。いよいよ本国イタリアへ上陸し、舞台は南部の美しいプーリア州へ！

アルバニアでのグラン・パルテンツァ（開幕）は、まさに「ショー」と呼ぶにふさわしい3日間でしたね。熱狂的な観衆に見守られ、ジロ・デ・イタリアは早くも波乱と感動を巻き起こしています。

アルバニアでの序盤戦：ログリッチの計算、ペデルセンの強さ

総合優勝候補の筆頭、プリモシュ・ログリッチ（選手名そのまま）が、その実力を見せつけました。初日の個人タイムトライアルでは、ジョシュ・タルリング（選手名そのまま）にわずか1秒差でマリア・ローザこそ譲ったものの、他の総合ライバルたちにはしっかりとタイム差をつけました。私のイタリアの記者仲間は、「ログリッチは、ここ数年のグランツール序盤で常に計算通りの走りを見せる。彼の集中力と勝負強さは群を抜いている」と、そのクレバーさに感心していましたね。

スプリントステージでは、マッズ・ペデルセン（選手名そのまま）が異次元の強さを見せました。開幕ステージと第3ステージで2勝を挙げ、ポイント賞ジャージを手にしています。元世界王者の貫禄十分といったところでしょうか。

そして、スペイン勢に目を向けると、フアン・アユソ（選手名そのまま）が期待通りの走りを見せています。総合5位につけ、ログリッチから26秒差。タイムトライアルでの走りは、彼が今年のジロで「カント」（優勝候補）であることを証明しました。「アユソはまだ若い。この経験が彼をさらに強くするだろう」と、チーム関係者も手応えを感じているようです。総合表彰台、いや、それ以上の可能性も感じさせますね。

一方で、残酷な運命に見舞われたのがミケル・ランダ（選手名そのまま）です。開幕早々の落車で、無念のリタイア。彼がこのジロにかけていた想いを考えると、本当に胸が痛みます。スペインの記者仲間は、「ランダは最高のコンディションでジロを迎えていたはずだ。このアクシデントは彼にとって、そしてチームにとっても大きな痛手だ」と肩を落としていました。レースは何が起こるか分からない。これがロードレースの厳しさであり、また魅力でもあるのですが、ランダにとってはあまりにも非情な幕開けでした。

いざ、イタリア南部プーリアへ！第4ステージはアルベロベッロからレッチェ

月曜日は移動日。選手たちは飛行機で、機材やチーム関係者は船でイタリア本土へと渡ります。そして火曜日、いよいよイタリア国内でのレースが再開されます。舞台は南部のプーリア州。第4ステージは、アルベロベッロからレッチェまでの平坦ステージです。

ジロは単なる自転車レースではありません。イタリアという国の歴史、文化、そして食を巡る旅でもあるのです。第4ステージのコースは、まさにそれを体現しています。

アルベロベッロ：おとぎ話のようなトゥルッリの街

スタート地点のアルベロベッロは、ユネスコ世界遺産にも登録されている特別な場所です。円錐形の石積み屋根を持つ「トゥルッリ」と呼ばれる独特な家々が立ち並ぶ景色は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのよう。モンティ地区やアイア・ピッコロ地区を歩けば、石灰岩を積み上げて作られた白い壁と灰色の屋根のコントラストが目に鮮やかです。トゥルッロ・ソヴラーノや、15のトゥルッリが連なる「カサ・ペッツォッラ」という博物館では、昔ながらの生活や農具に触れることができます。選手たちがこの景色の中を走る姿は、きっと絵になるでしょうね。こんな美しい場所を走れるのは、ジロならではです。

プティニャーノ、カステッラーナ、オストゥーニ：南イタリアの魅力に触れる

コース中盤には、見どころが盛りだくさんです。プティニャーノは、鮮やかなカーニバルと、バッファローのミルクを使った濃厚な「カチョカヴァッロ」というチーズで知られています。濃厚なチーズの香りが漂ってきそうですね。その近くには、カステッラーナ・グロッテという洞窟があります。全長3キロメートルにも及ぶ鍾乳洞は、まさに「地下の秘境」。レースとは直接関係ありませんが、もし選手たちがオフに見たら、きっと驚くでしょう。

そして、海岸に近づくと現れるのが「白い街」、オストゥーニです。アラゴン時代の城壁に囲まれた旧市街は、どこもかしこも真っ白。細い路地や階段、広場が迷路のように続いています。ここでは、伝統的な陶器やオリーブウッドの彫刻工房を見つけることができます。南イタリアの職人たちの息遣いを感じられる場所です。白い街のフォトジェニックな景観は、きっとテレビ画面越しにも映えるはずです。

フランカヴィッラ・フォンターナ、ノヴォリ、そしてゴール地点レッチェへ

さらに南下すると、15世紀のインペリアーリ城がそびえるフランカヴィッラ・フォンターナ。ここでは、「コペタ」というアーモンドのお菓子や、「コンフェッティ・リッチ」という砂糖でコーティングしたアーモンド菓子が有名です。甘い香りが選手たちを誘惑するかもしれませんね。疲れた体には、甘いものが一番です。

ゴールが近づくにつれて、景色はワイン畑へと変わります。この地域は、ネグラマーロというブドウ品種の産地として知られています。「ワインの街」ノヴォリを通過し、いよいよプーリア州の州都、レッチェへ。

レッチェは「南のフィレンツェ」とも呼ばれる、バロック建築の宝庫です。街の中心、サントロンツォ広場には、2万5千人を収容できたというローマ時代の円形劇場跡が。そこからドゥオーモ広場へ向かうと、壮麗なサンタ・マリア・アッスンタ大聖堂が私たちを迎えてくれます。16世紀に建てられたカルロ5世の城には、若さと愛を象徴する「調和の泉」が。選手たちがボトルに水を満たすのにぴったりの場所ですね。そして、ここが第4ステージのゴール。おそらく集団スプリントになるでしょう。ペデルセンが再び勝利を挙げるのか、それとも新たなスプリンターが台頭するのか、注目です。

これから本格化するジロの戦い

アルバニアでの序盤戦は、タイム差がついたとはいえ、まだ静かな立ち上がりとも言えます。しかし、イタリア本土に戻り、山岳ステージが近づくにつれて、総合争いはさらに激化していくでしょう。ログリッチがこのまま優位を保つのか、アユソや他のライバルたちがどう仕掛けてくるのか。そして、ナイロ・キンタナ（選手名そのまま）やエイネル・アウグスト・ルビオ（選手名そのまま）といったクライマーたちが、得意の山岳で存在感を示すのか。ミケル・ランダのリタイアは本当に残念ですが、残された選手たちの戦いに期待しましょう。

ジロ・デ・イタリアは、これからが本番です。美しい南イタリアの景色とともに、熱いドラマが繰り広げられることを願っています。次なる展開から目が離せませんね！