北の地獄」異名の由来 パヴェだけじゃない

パリ～ルーベ：「北の地獄」という異名の意外なルーツ

「クラシックの女王」、「最も過酷なレース」。パリ～ルーベを形容する言葉は数知れません。2025年も開催が迫るこの伝説的なワンデーレースは、多くのサイクリストにとって特別な存在です。しかし、パリ～ルーベの代名詞とも言える「北の地獄」という異名、皆さんはその由来をご存知でしょうか？

パヴェだけじゃない！「北の地獄」の真実

多くの人が、悪名高いパヴェ（石畳）の存在こそが「北の地獄」の由来だと考えがちです。確かに、選手たちを苦しめ、レースの伝説を築き上げてきたのは、他でもないパヴェ道でしょう。しかし、実はこの異名の起源は、レースの過酷さとは別のところにありました。

第一次世界大戦の爪痕

「北の地獄」という言葉が生まれたのは、第一次世界大戦終結直後の1919年。5年ぶりに開催されるパリ～ルーベのコースを、当時雑誌「Le Vélo」の記者だったヴィクトール・ブレイエールが視察した際のことです。戦火によって変わり果てた北フランスの風景を目の当たりにしたブレイエールは、記事の中で「ここはまさに北の地獄だ」と表現しました。

荒廃した風景と「北の地獄」の定着

戦争によって破壊された道路や、ルーベの最初のベロドロームの惨状。ブレイエールの言葉は、そんな光景から生まれたのです。その後、「北の地獄」という異名は、パヴェ道の過酷さや変わりやすい天候といったレースの難しさと結びつき、定着していきました。

知られざるもう一つの異名

パリ～ルーベは、「クラシックの女王」と呼ばれるだけでなく、実は「La Pascale（復活祭のレース）」という異名も持っています。なぜなら、第1回大会が1896年の復活祭の日曜日に行われたからです。へぇ～、そうだったんですね！

パリ～ルーベは、単なる自転車レースではありません。第一次世界大戦の記憶を刻み込み、人々の心を揺さぶるドラマと歴史が詰まった、まさに生きる伝説なのです。2025年のレースでは、選手たちがどのようなドラマを見せてくれるのか、今から楽しみでなりません！