自転車選手も脳を鍛えることが増えている：より速く反応し、効率的なペダリングを維持し、疲労によりよく耐えるために

自転車競技にも脳トレの波が！～認知トレーニングがもたらす新たな可能性

皆さん、こんにちは！モナコ在住の中村リサです。今回は、自転車ロードレースの世界に新しい風を吹き込んでいる「認知トレーニング」について、皆さんと一緒に探求していきたいと思います。選手のSNSを日々チェックしている私だからこそ感じること、それは、彼らが常に進化を求め、そのために努力を惜しまない姿です。

この数年で、自転車競技の世界にも、チームスポーツやモータースポーツから影響を受けた「認知トレーニング」が導入されるようになりました。それは、単にフィジカルを鍛えるだけでなく、脳の働きを向上させることで、より効率的なパフォーマンスを目指すというもの。一体どのようなトレーニングで、選手たちはどのように変わっていくのでしょうか？

認知トレーニングって何？

認知トレーニング、別名「脳トレ」とも呼ばれるこのトレーニングは、思考速度、判断力、そして効率的な動作を向上させることを目的としています。専門家のブラム・スウィネン氏によると、このトレーニングは、選手がスポーツをしている最中に、より早く、より正確な決断ができるように、そして動きの効率を最大限に引き出すために行われるそうです。まるで、ゲームのように、与えられた課題に反応することで、脳を鍛えるんですね！

例えば、サッカー選手のステファン・デ・フライ選手は、ボールが来る方向を感知しながら、同時に光るランプの色に反応するというトレーニングをしています。左右どちらの足でパスを出すか、ボールをコントロールするか、シュートを打つかなど、状況に応じて瞬時に判断し、実行する能力を鍛えているのです。自転車競技でも、同様のトレーニングが応用されています。

なぜ自転車競技に必要？

自転車ロードレースでは、スプリントシーンがまさにその能力を試される場です。集団の中で、一瞬の判断ミスが落車につながることもあります。認知トレーニングは、このような複雑な状況下で、選手がより素早く、より正確な判断を下すことを可能にします。

レース終盤、疲労が蓄積した状態でも、選手は最大限の力を発揮しなければなりません。認知トレーニングは、疲労による判断力の低下を抑え、効率的なペダリングを維持するのに役立ちます。さらに、VRゴーグルを使ったトレーニングでは、スプリントシーンをシミュレーションし、複雑な状況下での判断力を高めることができるそうです。近未来的なトレーニング方法に、思わずワクワクしてしまいますね！

スプリンターだけじゃない！クライマーにも効果あり！

認知トレーニングは、スプリンターだけでなく、クライマーやタイムトライアルの選手にも効果があることが研究で示唆されています。ブラム・スウィネン氏によると、通常のトレーニングに加えて、20～30分の脳トレを組み合わせることで、持久力を向上させることができるそうです。これは、脳内の特定の部位（前帯状皮質）が、運動強度や感情、意思決定に関わっているためで、この部位を鍛えることで、疲労を感じた時に「もうやめよう」という衝動を抑え、より高いレベルでのパフォーマンスを維持できるのです。

つまり、認知トレーニングは、単に脳を鍛えるだけでなく、メンタル面も強化し、選手の限界を押し上げる可能性を秘めていると言えるでしょう。

落車回避にも役立つ！

認知トレーニングは、落車を回避する上でも重要な役割を果たします。トレーニングによって、ワーキングメモリ（作業記憶）を向上させることで、選手はより多くの情報を処理し、より迅速かつ正確な判断を下すことができるようになります。複雑な状況で、一瞬の判断の遅れが落車につながる可能性を考えると、このトレーニングが選手たちにとって、いかに重要かがわかるでしょう。

もちろん、どんなにトレーニングを積んでも、不運な事故を完全に避けることはできません。それでも、認知トレーニングは、選手たちが少しでも安全に、そして最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、サポートしてくれるはずです。

これからの自転車競技

認知トレーニングは、自転車競技の世界に新たな可能性をもたらしています。このトレーニングが、選手たちのパフォーマンスをどのように進化させていくのか、今後の展開が楽しみでなりません。もしかしたら、近い将来、選手たちはVRゴーグルをかけてレースに挑む日が来るかもしれませんね。

これからも、選手たちのSNSの一挙手一投足を追いかけながら、彼らの進化を皆さんと共有していきたいと思います。次回の記事もお楽しみに！