ロータリー中央の男性が自転車の落車を招く寸前

またもヒヤリ！ジロ第5ステージ、ロータリーに現れた"予想外の訪問者"

皆さん、こんにちは。モナコから選手たちのSNSを追いかけ、彼らの日常やレースの裏側を読み解いている中村 リサです。

ジロ・デ・イタリアは連日熱い戦いが繰り広げられていますが、今年の大会はレースそのものだけでなく、コース上の様々な出来事でも注目を集めていますね。特に、選手たちをヒヤリとさせるような予想外のハプニングが続いていることに、私も心を痛めています。

先日行われた第5ステージ、チェーリエからマテーラへの道のりで、またも危ない場面がありました。皆さんもSNSなどでその映像をご覧になったかもしれませんね。

レースを妨げる"人間"の存在

第3ステージで発生したヤギとの接触事故も記憶に新しいですが、今回はまさかの「人間」がアクシデント寸前の事態を引き起こしました。

問題の場面は、集団が猛スピードでロータリーに差し掛かった時でした。映像を見ると、なぜかロータリーの中央に一人の男性が立っているのが確認できます。おそらく、集団はロータリーの左側を通ると思い込んでいたのでしょう。しかし、選手たちはその男性に向かって一直線に、それもかなりの速度で突っ込んできたのです。

危機一髪！間一髪で避けられた落車

その瞬間、集団の先頭付近にいた複数の選手が、咄嗟の判断で男性を避けるようにラインを変えました。Eurosportが捉えた映像からは、本当に紙一重で大きな落車を回避できた様子が伝わってきます。

幸運だったのは、集団の大部分がロータリーの別の側を選択していたこと。もし、より多くの選手が男性のいる側を選んでいたら…考えるだけでも恐ろしいですね。一歩間違えれば、多くの選手が巻き込まれる大落車に繋がっていた可能性は非常に高いです。

選手たちの集中力と、危険を察知した瞬時の反応能力には脱帽するばかりですが、同時に、なぜこのような状況が生まれてしまったのか、安全管理の甘さについても考えざるを得ません。

SNSリサーチャーが見る、映像の裏側

この映像は瞬く間にSNSで拡散され、多くのファンから驚きや非難の声があがっています。「まさか人がいるなんて！」「レースディレクションは何をしていたんだ？」といったコメントが多く見られます。

もちろん、レース中は多くのボランティアや警備員がコースの安全確保にあたっています。入力テキストのコメント欄にも「ベストを着て三角表示板を持った人が、選手に左側へ行くように指示していたのではないか」という推測がありました。もしそうだったとしても、男性がなぜロータリー中央に立ち止まってしまったのか、その意図は不明です。あるいは、コース上の警備員と一般の方との間で認識のズレがあったのかもしれません。

選手たちのSNSをチェックしてみましたが、この件について直接的に言及している投稿は今のところ見当たりません。彼らはレース中の危険について多くを語らない傾向にありますが、今回の出来事が選手たちに与えた心理的な影響は決して小さくないはずです。常に危険と隣り合わせであるロードレースにおいて、こうした人為的なアクシデントの可能性は、選手たちの集中力を削ぎ、不要なストレスを与えてしまいます。

安全なレースのために、私たちができること

ロードレースは沿道の観客の応援があってこそ盛り上がるスポーツです。しかし、その観戦には常に危険が伴うことを忘れてはなりません。コースの安全管理はもちろん重要ですが、私たちファン一人ひとりが、選手たちの走行を妨げないよう、最大限の注意を払うことも大切です。

今回の件が、今後のレースにおける安全管理体制の見直しや、観客への注意喚起の強化に繋がることを願っています。選手たちが安心して最高のパフォーマンスを発揮できる環境が整うことこそ、私たちが最も望むことではないでしょうか。

ジロはまだまだ続きます。最後まで選手たちが無事に走りきれるよう、モナコからエールを送り続けたいと思います。皆さんも、安全な観戦スタイルでジロを楽しみましょう！