ジロ・デ・イタリア、スペイン勢の活躍：ヴェローナが躍動、アユソは総合狙い

ジロを彩る「若き至宝」フアン・アユソの躍進

今年のジロ・デ・イタリアは、15ステージを終えた時点で、メキシコのイサーク・デルトロ（UAEチームエミレーツ・XRG）がマリア・ローザを纏っています。しかし、そのすぐ後ろ、総合3位の座を堅守しているのが、スペインのフアン・アユソ（UAEチームエミレーツ・XRG）です。リーダーとはわずか1分26秒差。この若き才能は、今大会の総合優勝候補の一角として期待されていましたが、その期待を裏切らないどころか、それを上回るパフォーマンスを見せています。

彼の強さは、山岳での粘り強さもさることながら、特にピサでの個人タイムトライアルで発揮された圧倒的な走りにありました。タイムトライアルスペシャリストとして名高いプリモシュ・ログリッチや、経験豊富なリチャル・カラパスといった強豪たちを抑え、バーチャルポディウムに食い込んでいるのですから、その実力は本物。「なるほど！」と思わず膝を打ったファンも多かったのではないでしょうか。UAEチームエミレーツ・XRGという、まさに最強のチームメイトに囲まれ、彼はさらに伸び伸びと走れているように見えます。このまま最終日までマリア・ローザ争いに絡んでいくのか、目が離せません。

経験と若さが織りなすスペイン勢の多様な戦略

さて、総合争いとは別に、日本のファンにも強烈な印象を残したのが、カルロス・ベローナ（Lidl-Trek）のステージ優勝でしょう。アシアゴでの第14ステージ、集団から抜け出した逃げグループの中から、彼は見事なアタックで抜け出し、キャリア最高の勝利を手に入れました。「へぇ～、ベローナが！」と驚いた方もいるかもしれませんね。この勝利は、彼が長年培ってきた経験と、逃げに賭ける執念が結実した瞬間でした。グランツールでは、総合エースを支えるアシストの役割が注目されがちですが、こうして自らのチャンスを掴み取るベテランの存在は、レースに奥行きを与えてくれます。

また、フアン・アユソのチームメイトであるイゴール・アリエタ（UAEチームエミレーツ・XRG）の存在も忘れてはなりません。彼は総合37位と大きく遅れていますが、チームのエースであるアユソのために献身的に働き続けています。実は、アリエタはジュニア時代からアユソの最大のライバルであり、アユソ自身が彼のチーム加入を強く望んだという裏話も耳にしています。かつてのライバルが、今は無二のチームメイトとしてエースを支える。これぞロードレースの醍醐味、チームスポーツの美しさではないでしょうか。「そうだったのか！」と、二人の絆に胸が熱くなったファンもいるかもしれませんね。

総合争いの行方とスペイン勢の今後の展望

他のスペイン勢の動向も見てみましょう。ヨナタン・ラストラ（コフィディス）は総合38位、そしてレース前の期待も大きかったペリョ・ビルバオ（Bahrain Victorious）は総合40位に沈んでいます。ビルバオは春のクラシックシーズンから休む間もなくレースを走り続けており、その疲労が蓄積している可能性も指摘されています。総合争いからは一歩引いた形ですが、彼のようなクライマーがステージ優勝を狙って山岳ステージでアタックする姿は、きっと多くのファンを魅了するはずです。

セルヒオ・サミティエル（コフィディス）、ジョナタン・カストロビエホ（イネオス・グレナディアーズ）、ヨン・バレネチェア（モビスター チーム）といった選手たちも、それぞれチームのアシストとして、あるいはチャンスがあれば逃げに加わるなど、彼らなりの役割を全うしています。特にカストロビエホは、長年グランツールで培ってきた経験を若手に伝える貴重な存在。「確かに！」と、その存在感に頷ける方もいるでしょう。

ジロ・デ・イタリアは、残り数ステージでさらなる激戦が予想されます。イサーク・デルトロがマリア・ローザを守り切るのか、それともフアン・アユソが逆転でグランツール初制覇を成し遂げるのか。そして、ステージ優勝を狙うスペイン勢が、再びその輝きを放つ瞬間が訪れるのか。最終日まで目が離せません。次も読みたい！そう思ってもらえるような、熱いレースが繰り広げられることを期待しましょう！