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ボディネ・フォレリング、バルセロナで総合優勝!最終ステージはルース・アドヘースツに譲る

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女王の貫禄!ボディネ・フォレリング、カタルーニャ女子一周を完全制覇

女子ロードレース界において、今最も注目を集める選手といえば、やはりボディネ・フォレリング選手(FDJ-スエズ)でしょう。彼女は、今シーズンすでに「ラ・ブエルタ・フェメニーナ」と「イツリア・ウィメン」という、女子レースの中でも屈指の難易度を誇るステージレースで総合優勝を飾っています。そして、今回のカタルーニャ女子一周でも、その強さは健在でした。

レースは全3ステージで行われましたが、フォレリング選手は初日のチームメイト、エリーズ・シャベイ選手の勝利をアシストする堅実な走りを見せ、続く第2ステージでは、山岳区間で圧巻の独走劇を披露。ここで総合優勝を決定づけるタイム差を築き上げました。現地のメディアも「女王の戴冠」「現役最強の証明」と、そのパフォーマンスを絶賛していましたね。彼女の表情からは、常に勝利を追求する強い意志が感じられ、次の展開を予見させるようなオーラを放っていました。

感動のチームプレイ!ルース・アドヘースツへの勝利のパス

そして、最終ステージです。総合優勝を確実なものにしていたボディネ・フォレリング選手は、驚くべきことに、自らのステージ優勝を狙うことなく、チームメイトのルース・アドヘースツ選手(FDJ-スエズ)のために献身的に働きました。最終局面、集団スプリントにもつれ込む展開の中、フォレリング選手は完璧なリードアウトを見せ、アドヘースツ選手を勝利へと導いたのです。「そうだったのか!」と膝を打つような、まさにチームの勝利を最優先する姿勢。

このシーンは、単なるステージ優勝以上の意味を持ちます。フォレリング選手が、個人としての栄光だけでなく、チーム全体の成功にどれほどコミットしているかを示すものだからです。スプリント後のアドヘースツ選手の喜びと、フォレリング選手の満足げな表情が、このチームの結束力を雄弁に物語っていました。グランツール取材で培った私の経験から言っても、このようなリーダーシップは、チーム全体の士気を高め、さらなる成功へと導く上で不可欠な要素です。

激戦の最終ステージ!逃げと追走の攻防

最終ステージは、カステルデフェルスからバルセロナまでの117.9km。3級のコル・デ・ラヴィットと1級のアルト・デ・ベゲスという二つの山岳が組み込まれた、決して平坦ではないコースでした。序盤からアタックとカウンターアタックが繰り返され、激しい逃げ争いが繰り広げられました。特に、フォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング チームのアンネケ・ダイクストラ選手が独走でコル・デ・ラヴィットをクリアした際には、一時1分以上のリードを奪い、「へぇ~」と感心させられる大胆な走りを見せました。

しかし、FDJ-スエズはフォレリング選手を筆頭に、冷静かつ盤石なコントロール体制を敷き、すべての逃げを吸収。アルト・デ・ベゲスの上りでは、再びフォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング チームのエリーネ・ヤンセン選手が先頭を奪うなど、最後まで諦めない走りが光りました。終盤には、Laboral Kutxa-Fundación Euskadiのアネ・サンテステバン選手、ファルトのAgua Maria Espinola選手、フォルカーヴェッセルズ・ウィメンズプロサイクリング チームのクインティ・スフーンス選手らがアタックを試みましたが、FDJ-スエズの統率された追走の前に、残り3km地点で万事休す。最終的には集団スプリントに持ち込まれるという、まさに戦術のぶつかり合いでした。

若手の台頭とベテランの存在感

今回のカタルーニャ女子一周では、総合2位に入ったエリーズ・シャベイ選手や、総合3位のマリオン・ビュネル選手(チーム ヴィスマ・リースアバイク)といった若手選手の活躍も目立ちました。彼女たちは、女王フォレリング選手に次ぐ実力を見せつけ、今後の女子ロードレース界を牽引していく存在となるでしょう。

一方で、総合4位のアネ・サンテステバン選手(Laboral Kutxa-Fundación Euskadi)や、総合6位のパウラ・パティーニョ選手(モビスター)といったベテラン勢も、その経験と巧みなレース運びで存在感を示しました。パウラ・パティーニョ選手は、最終ステージで最もアグレッシブな走りを見せた選手の一人であり、その粘り強さは「確かに!」と共感を呼ぶものでした。女子ロードレース界は、若手とベテランが互いに刺激し合い、その層の厚さを増していることを改めて感じさせられました。

女子ロードレースの未来は明るい!

ボディネ・フォレリング選手がマリアンヌ・フォス選手からカタルーニャ女子一周のタイトルを引き継いだことは、女子ロードレース界の世代交代と、新たな女王の時代を象徴する出来事と言えるでしょう。彼女の圧倒的な強さと、チームを思う献身的な姿勢は、多くのファンに感動を与え、次なるレースへの期待感を高めてくれます。

今シーズン、女子ロードレースはますます盛り上がりを見せています。フォレリング選手がこの勢いを維持し、残りのシーズンでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、そして彼女に続く若手選手たちがどのように成長していくのか。目が離せませんね。私も引き続き、現地で選手たちの息遣いを感じながら、皆さんにホットな情報をお届けしていきたいと思います。次回の記事も、ぜひご期待ください!

山田 健一

山田 健一

グランツールステージレースWorldTour

グランツールを中心に、ヨーロッパの主要レースを担当。イタリア、フランス、スペインの三カ国の言葉を自在に操り、現地メディアの微妙なニュアンスまで読み解く。特派員時代に培った人脈と、独自の視点を組み合わせることで、選手たちの表情や声のトーンから次の展開を予見することも。15年以上の取材経験から紡ぎ出される記事は、データと感性の絶妙な調和が特徴。アンドラ公国に別荘を持つという噂は真偽不明だが、ピレネー山脈の天気変化を誰よりも早く感じ取る不思議な能力の持ち主。