ログリッチ、最終週へ始動：火曜日スタート確実

プリモシュ・ログリッチ、ジロ最終週へ！「かろうじて生きている」男の壮絶な決断

ジロ・デ・イタリアもいよいよ最終週に突入します。休養日となった月曜日、イタリア・バッサーノ・デル・グラッパでは、一つの大きなニュースがサイクルロードレース界を駆け巡りました。それは、総合優勝候補の一角と目されながらも苦戦が続くプリモシュ・ログリッチ（レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ）の去就です。日曜日のステージで再びタイムを失い、精神的にも肉体的にも限界に達しているように見えた彼が、果たしてレースを続行するのか否か。その結論は、「続行」でした。彼の言葉を借りれば、「かろうじて生きている」状態でありながらも、この過酷なグランツールに挑み続けるログリッチの決断は、私たちファンに深い感動と、そして幾ばくかの不安をもたらしています。

「かろうじて生きている」男の決断：ログリッチ、ジロ最終週へ

日曜日のアジアーゴへのゴール後、プリモシュ・ログリッチは消耗しきった表情で、チームメイトのジュリオ・ペリツァーリに慰められながら涙を流していました。総合順位は10位まで後退し、マリア・ローザとの差は3分53秒。彼の口からこぼれたのは、スロベニアのテレビ局に向けた「かろうじて生きている。ステージを完走できて嬉しい」という、あまりにも率直で痛ましい言葉でした。休養日の月曜日、バッサーノ・デル・グラッパのチームホテルでは、彼がレースを続けるかどうかの判断が下されることになっていました。現地メディアの間でも様々な憶測が飛び交い、私も彼の体調を案じていました。しかし、その日の午前中には「ラ・ガゼッタ・デロ・スポルト」が彼の続行を報じ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエも最終的にその決断を固めたのです。この強靭な精神力、確かにログリッチらしいと言えばログリッチらしいのですが、同時に彼の肉体がどこまで持つのか、一抹の不安もよぎります。

落車からの代償：肉体と精神の限界

ログリッチの苦境は、今大会序盤に経験した度重なる落車に端を発しています。記憶に新しいのは、5月18日の「白い道」区間を含むシエナへのステージでの落車。そしてそのわずか2日後、ルッカでの個人タイムトライアルの試走中にも再び転倒するという不運に見舞われました。レッドブル・ボーラ・ハンスグローエのクリスチャン・ペーマー監督は、日曜日の時点で「我々の医師がプリモシュが続けられるかを判断するだろう」と語り、「プリモシュが体調が悪いこと、苦しんでいることを隠すことはもはや不可能だ」と、彼の状態が深刻であることを認めました。グランツールでは「落車から回復するには1週間かかる」という経験則がありますが、ログリッチの回復は思わしくない状況が続いていたのです。体調が万全でない中で、なぜ彼はこの過酷な戦いを続ける決断を下したのでしょうか？その背景には、彼のキャリアを通じて培われた不屈の精神と、チームへの責任感があるのは間違いありません。

諦めないスピリットか、無謀な挑戦か？

ログリッチのジロ継続のニュースは、SNS上でも大きな反響を呼んでいます。読者コメントを見ると、「彼の勇気と決意を称えるべきだ」という声がある一方で、「ツール・ド・フランスのために、無理せず休むべきではないか」という懸念も少なくありません。確かに、総合優勝争いからは遠ざかってしまったログリッチが、このまま過酷な山岳ステージを走り続けるのは、彼の肉体に大きな負担を強いることになります。しかし、彼は昨年のジロ・デ・イタリア覇者であり、決して諦めることを知らない真のチャンピオンです。もしかしたら、彼はこの最終週で、ステージ優勝という形でファンに報いようとしているのかもしれません。あるいは、来るツール・ド・フランスに向けて、高地での負荷を経験し、コンディションを上げていくことを狙っている可能性も考えられます。彼の決断の裏には、我々には計り知れないプロアスリートとしての戦略があるはずです。

最終週の展望とログリッチの役割

火曜日から始まる最終週は、ピアッツォーラ・スル・ブレンタからサン・ヴァレンティーノへの山岳ステージを皮切りに、水曜日、金曜日、土曜日にも厳しい山岳が控えています。ログリッチにとって、総合優勝は絶望的かもしれませんが、彼がチームメイトのジュリオ・ペリツァーリや他の選手たちをサポートし、チームの士気を高める役割を果たす可能性は十分にあります。また、もし体調が回復すれば、どこかのステージで単独アタックを仕掛け、ステージ優勝を狙うといった、我々を「なるほど！」と唸らせるような展開も期待できます。彼の存在が、ジロの最終盤にどのようなドラマを巻き起こすのか、目が離せません。

プリモシュ・ログリッチのジロ・デ・イタリアは、まさに壮絶な戦いの連続です。彼の「かろうじて生きている」という言葉が、このレースの過酷さを物語っています。しかし、その言葉の裏には、決して諦めない彼の魂が宿っていることを感じます。最終週、彼の走りが私たちにどんな驚きと感動を与えてくれるのか、今から本当に楽しみです。次回のレポートもお楽しみに！