第16ステージ：コース、高低差、時間詳細

「山岳地獄」の幕開け！ジロ・デ・イタリア第16ステージ徹底分析

いよいよジロ・デ・イタリアは最終週に突入します。そして、その幕開けを飾る第16ステージは、まさに総合争いを揺るがす「山岳地獄」となるでしょう。ピアッツォーラ・スル・ブレンタをスタートし、サン・ヴァレンティーノまでの203km。獲得標高は驚異の4900m超え。これは、グランツールのクイーンステージに匹敵する、あるいはそれ以上の過酷さと言っても過言ではありません。

平坦なスタートから、選手たちはすぐにアスティコ渓谷へと吸い込まれていきます。アルシエーロを過ぎたあたりから、休む間もない山岳の連鎖が始まるのです。カルボナーレの登りで火蓋が切られ、トレントへの高速ダウンヒルを経て、モンテ・ボンドーネの一部、カンドリアイまでの登坂が選手たちを待ち受けます。そして、ヴィーゴ・カヴェディーネの傾斜を乗り越えた先に控えるのが、このステージ最大の難所、サンタ・バルバラ峠です。アルコ・ボローニャーノ側から挑むこの峠は、12.7kmにわたって平均勾配8.3%、最大では14%にも達する激坂が選手たちの脚を削り取ります。

最後の砦、サン・ヴァレンティーノ！その特徴と戦略

サンタ・バルバラ峠をクリアしても、安堵する暇はありません。最後の難関、サン・ヴァレンティーノへのフィニッシュ登坂が待ち構えています。18.2kmと距離は長いものの、平均勾配は6.1%と一見穏やかに見えるかもしれません。しかし、これは「見せかけ」です。ブレントーニコやサン・ジャコモでの短い下りを挟むため、勾配の変化が激しく、リズムを掴みにくい「不規則な」登りなのです。

特にゴール手前3kmからは、短い下りの後に最大12%の急勾配が選手たちを襲います。まさに最後の力を振り絞る「我慢比べ」の展開になるでしょう。フィニッシュラインは250mの直線、道幅も7mと広めですが、その直前の激坂でどれだけ差をつけられるかが勝敗を分けるはずです。この獲得標高4900mという数字は、総合勢の体力と精神力を極限まで試すことになります。小さなミスや一瞬の油断が、タイム差として大きく響く可能性を秘めているのです。

総合勢の思惑とクライマーたちのチャンス

この過酷なステージで、最も注目されるのはやはり総合リーダージャージを擁するUAEチームエミレーツ・XRGの戦略でしょう。彼らは強力なチーム力でレースをコントロールしてきましたが、この山岳ステージでどのようにリードを維持していくのか、注目です。チーム内の力学も気になるところですね。

一方、このステージはクライマーたちにとって絶好のチャンスとなります。例えば、すでに第11ステージで勝利を挙げているリチャル・カラパス選手。彼のようなアグレッシブなクライマーは、このようなタフな山岳ステージでこそ真価を発揮します。単独で飛び出し、そのまま押し切る展開も十分にあり得るでしょう。SNS上では、デル・トロ選手がアユソ選手やイェーツ選手といった強力なライバルたちと互角に渡り合えるか、といった議論も巻き起こっていますね。彼ら若手クライマーたちの動きも、このステージの鍵を握るかもしれません。

過去の激戦と比較！このステージが持つ意味

獲得標高4900m超えという数字は、ジロ・デ・イタリアの歴史の中でも屈指の厳しさを誇るステージであることを示唆しています。過去には、ツール・ド・フランスのコル・ド・ラ・ロゼール（2020年）、ブエルタ・ア・エスパーニャのアングリル（2023年）など、獲得標高5000m近いステージで総合順位が大きく変動した例は枚挙にいとまがありません。

今回の第16ステージも、まさにそのような「歴史に残る」ステージとなる可能性を秘めています。最終週の初日にこれほどの難易度をぶつけてくるのは、主催者からの「さあ、最終決戦だ！」という挑戦状にも見えますね。総合争いの行方だけでなく、このステージで誰がブレイクスルーを果たすのか、隠れたヒーローが生まれるのか、そのドラマにも期待が高まります。

さあ、いよいよジロ・デ・イタリアは佳境へと入ります。この第16ステージは、総合優勝を目指す選手たちにとって、まさに「正念場」となるでしょう。一体誰がこの「山岳地獄」を制し、マリア・ローザへの道を切り開くのか？11時20分のスタートから、17時15分頃のフィニッシュまで、一瞬たりとも目が離せません！皆さん、リアルタイムでこの興奮を共有しましょう！