ジロ・デ・イタリア第1ステージ プロフィール：コース・放送

日本のサイクルロードレースファンの皆さん、こんにちは。山田 健一です。

待ちに待ったグランツール開幕の季節がやってきました！今年はピンクのジャージ、マリア・ローザを巡る戦い、ジロ・デ・イタリアが、なんと初めてアルバニアの地からスタートを切ります。異国の風を感じながら始まる108回目のコルサ・ローザ。その記念すべき第1ステージは、いきなり波乱含みのミドルマウンテンステージ。総合優勝候補の筆頭に挙げられるファン・アユソとプリモシュ・ログリッチが、この初日にどんな動きを見せるのか、今から楽しみでなりません。現地で取材する私の視点から、この開幕ステージを展望してみましょう。

未知の舞台、アルバニアでの船出

今年のジロ・デ・イタリアのグランデ・パルテンツァが、イタリアを飛び出してアルバニアで行われるというのは、非常にエキサイティングなニュースです。アドリア海を挟んだお隣の国、アルバニアのドゥラスという古い港町からレースはスタートし、首都ティラナへと向かいます。グランツールが開幕の地としてイタリア以外の国を選んだのは、ジロならではの挑戦的で魅力的な試みと言えるでしょう。

現地の歓迎ムードは凄まじいものがあります。街全体がピンク色に染まり、多くのファンが選手たちを一目見ようと集まっています。イタリア国内での開幕も熱狂的ですが、このように歴史的な一歩を踏み出す場所での雰囲気は、また格別なものがありますね。「へぇ～」と唸るような、イタリアとは異なる文化や景色の中を選手たちが走る姿を見るのも、今年のジロの大きな見どころの一つです。

初日から牙を剥くミドルマウンテン

第1ステージのコースプロファイルは、単純な平坦ステージではありません。ドゥラスを出発後、レースは内陸部へ向かい、グラツェン（13.5km、平均勾配5.2%）という登りを越えます。そして、フィニッシュ地のティラナに近づいてからは、スレル（6.9km、平均勾配4.6%）という登りを2回通過します。

「なるほど！」この勾配と距離は、ピュアなスプリンターにとってはかなり厳しい設定です。特にスレルを2回上ることで、集団は大きく絞られる可能性が高い。フィニッシュ地点のティラナ市内も、細かいアップダウンやカーブが多いテクニカルなレイアウトになっているようです。これは、パンチャータイプのフィニッシャーや、登りもこなせるクラシックライダーに有利に働くでしょう。あるいは、総合系の選手が、初日からライバルにプレッシャーをかけに来る可能性も十分に考えられます。

「確かに！」終盤の緊張感はかなりのものになるはずです。落車やメカトラブルのリスクも高まりますから、有力選手たちは常に前方で位置取りを意識する必要があるでしょう。集団スプリントになったとしても、それはサバイバルスプリントになる公算が高いと見ています。

総合勢とステージハンターの駆け引き

今年のジロは、ファン・アユソとプリモシュ・ログリッチという、総合優勝を狙う強力な選手たちが開幕から激突する構図です。彼らが初日のマリア・ローザを狙いに来るのか、それとも互いの出方を窺いながら静観するのか、その戦略が注目されます。

しかし、忘れてはならないのが、このタイプのステージを得意とするステージハンターたちの存在です。彼らにとっては、総合エースたちがまだ様子見の段階にある初日は、絶好のチャンスとなるでしょう。

「そうだったのか！」と思わせるようなサプライズを演じる可能性を秘めているのが、経験豊富なベテラン勢です。例えば、ダミアーノ・カルーゾは地元イタリアでの最後のジロとなるかもしれませんし、ミケル・ランダもジロで何度も素晴らしい走りを見せてきました。そして、復活を目指すナイロ・キンタナも、得意の登りを活かせる場面があれば、積極的に仕掛けてくるでしょう。彼らの言葉の端々には、このジロにかける並々ならぬ意気込みが感じられます。彼らが初日から大きな動きを見せることも、決してあり得ない話ではありません。

日本からの観戦と現地の熱気

日本からはユーロスポーツやMAXといったプラットフォームで、この歴史的な開幕ステージをライブで観戦できます。現地の熱狂が画面越しに伝わってくるはずです。

また、MARCA.comなどの海外メディアのレポートも参考になりますね。M.Á. ロドリゲス氏や、アルバニアに派遣されているナチョ・ラバルガ氏のような特派員の視点からは、レース展開だけでなく、現地の文化や人々の様子など、私たちが見られない貴重な情報が得られます。アルバニアという国全体が、この大規模なスポーツイベントをどれほど楽しみにしているか、その熱気が伝わってきます。

初日のマリア・ローザは誰の手に？

初日のマリア・ローザは、その後のレース展開を占う上でも重要な意味を持ちます。強力な総合候補が牽制し合う中、意外な選手が飛び出して栄光のピンクジャージに袖を通すのか。それとも、有力候補の一角が力の違いを見せつけるのか。

アルバニアでの歴史的な船出となるジロ・デ・イタリア第1ステージから、もう目が離せませんね。「次も読みたい！」と思っていただけるよう、私も現地の空気感を余すところなくお伝えできるよう努めます。今後の展開にも、どうぞご期待ください！