ロッテ・コペッキー、ワロンヌの矢での落車・不振にもリエージュへ自信

ロッテ・コペッキー、フレーシュ・ワロンヌの不調を語る ～リエージュへ向けた世界チャンピオンの心境～

世界チャンピオンのロッテ・コペッキーが、フレーシュ・ワロンヌでまさかの12位。アルデンヌ・クラシックの象徴とも言えるミュール・ド・ユイでのフィニッシュで、彼女が先頭集団に絡めなかったことに驚いたファンも多かったのではないでしょうか。落車もあり、ミュールへの入り方でポジションを失った彼女ですが、レース後の口からは意外な言葉が聞かれました。厳しい結果にも関わらず、アルデンヌ・クラシック最終戦、リエージュ～バストーニュ～リエージュへ向けた自信を覗かせる世界チャンピオンの心境に迫ります。

ミュール・ド・ユイでの苦戦とその原因

フレーシュ・ワロンヌでのロッテ・コペッキーは、いつもの圧倒的な姿とは少し違いました。結果は12位。彼女自身、レース後に「理想的なスタートではなかった」と振り返っています。ミュール・ド・ユイのような短く急勾配なフィニッシュでは、最後の登坂区間に入る前のポジション取りがすべてを決めると言っても過言ではありません。彼女は「遠すぎる位置からミュールに入ってしまった」と語っており、これが決定的なミスだったようです。

「もちろん、それは自分のせい」と、自らの判断ミスを認めるロッテ・コペッキー。ミュール・ド・ユイは一度ポジションを失うと、勾配がきつすぎるため挽回するのが非常に難しい特殊な坂です。「こんな登りでは、何かを取り戻す余地はほとんどない」とも。理想は先頭から5番手以内で入ること。「それができなければ、難しくなることは分かっている」と、ミュール・ド・ユイの厳しさを改めて口にしました。落車もあったとのことですから、万全の状態ではなかったのかもしれません。

結果以上の「良い感触」とアルデンヌ・クラシックへの適性

結果だけを見れば、アルデンヌ・クラシック序盤2戦（34位、12位）は世界チャンピオンとしては物足りなく映るかもしれません。しかし、ロッテ・コペッキーは結果とは裏腹に「どちらのレースでも良い感触があった」と語っています。これは非常に興味深いコメントです。体の状態は悪くない、ということでしょうか。

フレーシュ・ワロンヌでの勝利の可能性について問われると、「うーん、難しい質問ね。今は答えられないわ」と口を濁しました。ミュール・ド・ユイのような純粋な激坂フィニッシュは、彼女の最大の得意とするタイプではないのかもしれません。しかし、続くリエージュ～バストーニュ～リエージュについては、「リエージュの方がフレーシュ・ワロンヌより厳しいけれど、ミュールのようなフィニッシュではない」と述べ、「日曜日に向けては、とても自信がある」と言い切りました。この言葉からは、リエージュのコース特性が彼女により合っているという手応えが感じられます。

世界チャンピオンへの期待とSNSでの声

世界チャンピオンであるロッテ・コペッキーには、常に勝利が期待されます。結果が出なければ、すぐに批判的な目が向けられるのもプロの世界の宿命です。今回のフレーシュ・ワロンヌの結果を受けて、SNSではファンから様々な声が上がっています。

例えば、コメント欄で見られた「ミュールは嘘をつかない」という一言。これは、ミュール・ド・ユイでの結果が選手の本当の調子や能力を反映するという考え方です。また、「野獣はもはや野獣ではない」といった厳しい声も。彼女がこれまで見せてきた圧倒的な強さ、「野獣」と称されるほどのパフォーマンスを期待するからこその、失望の表れでしょう。こうしたファンの反応を見ると、「確かに！」と思う部分もある反面、一戦の結果だけで全てを判断するのは早計だとも感じます。特に落車があったり、ポジション取りのミスがあったりと、結果には複合的な要因が絡みます。

リエージュへ向けた自信と今後の展望

フレーシュ・ワロンヌでの苦戦にも関わらず、リエージュ～バストーニュ～リエージュへ向けて「自信がある」と語ったロッテ・コペッキー。リエージュはフレーシュ・ワロンヌのような一発の激坂勝負ではなく、より長い距離と連続する丘、そして最後の平坦区間での展開が絡む、より「重い」レースです。この特性は、彼女の持つパワーと持久力、そしてスプリント能力を活かすのに適している可能性があります。

Team SD Worx-Protime という最強チームの一員として、ボディネ・フォレリングらチームメイトとの連携も重要になるでしょう。フレーシュ・ワロンヌでの戦略を修正し、リエージュでは万全の体制で臨んでくるはずです。

彼女は以前から、女子版ツール・ド・フランスであるツール・ド・フランス ファムでの総合優勝を長期的な目標として掲げています。今回のアルデンヌ・クラシックでの経験は、その大きな目標に向けたステップの一つと捉えているのかもしれません。ミュール・ド・ユイでの苦い経験も、リエージュ、そしてツールへと繋がる糧となるでしょう。

リエージュ～バストーニュ～リエージュで、果たしてロッテ・コペッキーは世界チャンピオンの走りを見せられるのか？ミュール・ド・ユイでの苦戦を乗り越え、彼女がどのようなパフォーマンスを見せるのか、日曜日のレースが待ちきれません。世界チャンピオンの誇りをかけた走りに、皆さん、注目しましょう！