オマール・フライレ、ブエルタで引退へ

オマール・フライレ、ブエルタ・ア・エスパーニャでプロサイクリストとしてのキャリアに幕

日本のサイクルロードレースファンの皆さん、山田健一です。今回は、少し寂しいニュースをお届けします。長年プロとして活躍してきたオマール・フライレが、今年のブエルタ・ア・エスパーニャを最後に引退することを発表しました。14シーズンにわたるプロ生活、そしてツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアでの勝利は、多くのファンにとって忘れられない記憶でしょう。

14年のプロ生活、数々の勝利

オマール・フライレは、アマチュア時代からその才能を発揮し、2012年にプロの世界へ。Dimension Data、Astanaを経て、近年はイネオス・グレナディアーズで活躍しました。特にAstana時代には、数々の勝利を挙げ、その名を世界に轟かせました。

ツールとジロでの勝利、そしてブエルタへの想い

彼のキャリアにおけるハイライトは、2018年のツール・ド・フランス、マンデでの勝利、そして2017年のジロ・デ・イタリアでの勝利でしょう。ブエルタ・ア・エスパーニャでも勝利に迫る場面がありましたが、惜しくも勝利は手にできませんでした。それだけに、最後のブエルタにかける想いは強いのではないでしょうか。

フライレからのメッセージ

オマール・フライレは、引退にあたり、次のようなメッセージを発表しています。

「プロサイクリストとしての人生に『さようなら』を言う時が来ました。プロとして14年、そのうち10年は最高峰のカテゴリーで過ごしました。素晴らしい経験と、大切な人々との出会いは、決して忘れません。家族との時間を大切にしたいという気持ちが、この決断を後押ししました。」

「近年、家を離れるのが辛くなっていました。特に息子のペイオが生まれてからは、その気持ちが強くなりました。近年のロードレースは大きく変化し、要求されるレベルも非常に高くなっています。トレーニングや食事をミリ単位で管理する必要があり、家を離れる日数も多いため、非常に厳しい状況です。」

「プロになってからの夢だった、世界最高のチームであるイネオス・グレナディアーズに所属するという夢を叶えることができました。素晴らしいチームメイトたちから多くのことを学び、アシストとしての新たな役割を担うことができました。世界最高のチームで引退できることは、私にとって大きな喜びであり、夢のようです。」

「プロサイクリストとして最後のシーズンとなる今年、出場するすべてのレースで100%の力を出し切ります。できれば、ブエルタ・ア・エスパーニャで皆さんに別れを告げたいと思っています。なぜなら、私にとって非常に重要な存在であるバスクのファンの皆さんに、直接感謝の気持ちを伝えたいからです。」

最後のブエルタに期待

オマール・フライレの最後の走りとなるブエルタ・ア・エスパーニャ。故郷のバスクのファンに向けて、最高のパフォーマンスを見せてくれることを期待しましょう。そして、彼のこれまでの功績に心から敬意を表したいと思います。