ニバリ、インデュライン、VIPも集結！ドロミーティ「マラトン」7月6日再び
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「光」が導く、ドロミテの祭典！グランフォンドの女王「マラトーナ・ドロミテス」の魅力に迫る
雄大なドロミテの山々を舞台に、世界中からサイクリストが集う「マラトーナ・ドロミテス」。今年も7月6日に開催されるこの「グランフォンドの女王」は、ただのサイクリングイベントではありません。今年のテーマは「Lüm」、つまり「光」。まさに「光」がテーマとなる、魂を揺さぶる体験が待っているのです。このイベントがなぜこれほどまでに人々を惹きつけ、多くのレジェンドたちをも魅了するのか。その深層に迫ってみましょう。
32,700人が熱望する「光」の祭典
「マラトーナ・ドロミテス」が「グランフォンドの女王」と称される所以は、その比類なき美しさと、参加を熱望する人々の数の多さにあります。今年、参加希望者はなんと32,700人。91カ国ものサイクリストがエントリーし、イタリア国内と海外からの参加希望者がほぼ半々という国際色豊かな顔ぶれです。しかし、実際にスタートラインに立てるのは抽選で選ばれた8,000人のみ。この倍率の高さからも、いかにこのイベントが特別な存在であるかが伺えますね。
このイベントの真の主役は、ドロミテの息をのむような絶景に他なりません。特に、カンポロンゴ峠、ポルドイ峠、セッラ峠、ガルデナ峠を結ぶ「Sellaronda（セッラロンダ）」を駆け抜ける感覚は、まさに「光に包まれる」ような体験だと言えるでしょう。参加者は、この雄大な自然の中で、心から「光」を感じ、自らも輝く存在となる。そんな「なるほど！」と思わせる深い意味合いが、このイベントには込められているのです。
レジェンドたちが集う「奇跡」のスタートライン
「マラトーナ・ドロミテス」のもう一つの大きな魅力は、かつてサイクルロードレース界を席巻したレジェンドたちが、一般のサイクリストと同じスタートラインに立つことです。2023年に現役を退いたばかりのヴィンチェンツォ・ニバリは、引退後すぐにこのイベントへの参加を表明し、今年もその姿を見せてくれるでしょう。彼だけではありません。ファビオ・アル、ダニエル・オスといった近年のスター選手に加え、ジャンニ・ブーニョ、パオロ・ベッティーニ、そして「地球外生命体」とまで称されたミゲル・インデュラインといった、まさにサイクルロードレースの歴史を彩ってきた巨匠たちが集結するのです。
彼らは、このイベントで勝利を目指すわけではありません。純粋にドロミテの美しさを楽しみ、大勢のサイクリストと共に走る喜びを分かち合うために参加します。プロとしての重圧から解放され、一人のサイクリストとしてペダルを漕ぐ彼らの姿は、私たちファンにとって、まさに「そうだったのか！」と驚きと感動を与えるものです。そして、公式リストにはまだ名前がないものの、サガンがサプライズで現れる可能性も示唆されており、その期待感は高まるばかり。他競技のスター選手や芸能人も多数参加すると聞けば、「へぇ～」と唸ってしまいますね。
ドロミテの「魂」を刻む、3つの挑戦
「マラトーナ・ドロミテス」には、参加者のレベルに応じた3つのコースが用意されています。最も短い「ショートコース」でも55km、獲得標高1,780mと侮れません。続く「ミドルコース」は106kmで獲得標高3,130m。そして、メインイベントである「マラトーナコース」は138km、獲得標高4,230mにも及びます。
特にマラトーナコースでは、前述のSellarondaに加えて、さらにカンポロンゴ峠、ファルツァレーゴ峠、ヴァルパローラ峠、そして「ドロミテの壁」とも称される「ジャウ峠」が待ち構えています。ジャウ峠の平均勾配は9%を超え、最大勾配は14%に達するほどの難易度。まさに「確かに！」と納得させられる、グランフォンドならではの過酷な挑戦です。しかし、この苦難を乗り越えた先に広がる絶景と、ゴールラインを越えた時の達成感は、魂を揺さぶるカタルシスをもたらすことでしょう。
「光」に込められた、マラトーナの哲学
このイベントの歴史ある会長、ミキル・コスタ氏は、今年のテーマ「光」について、詩的な言葉でその本質を語っています。「8分。峠を登るのに十分な時間であり、心臓をより強く鼓動させ、疲労と夢をアスファルトに刻み込む時間。8分。太陽の光が私たちに届くまでの時間。すでに過ぎ去った一瞬が、現在を照らす。7月6日、マラトーナでも、私たちはその光に向かってペダルを漕ぐ。なぜなら、存在するすべては光であり、私たちはささやかながら、その一部であろうと試みるからだ」。
彼の言葉は、単なる自転車イベントを超えた、哲学的なメッセージを私たちに投げかけています。サイクリストは皆、自らの光を放ち、そして互いの光を分かち合いながら、ドロミテの光の中を駆け抜ける。皆さんは、この「光」というテーマに、どのような意味を見出しますか？このイベントがこれほどまでに人々を魅了するのは、単なるスポーツの祭典ではなく、人生そのものに通じる深い意味が込められているからではないでしょうか。
この「マラトーナ・ドロミテス」は、単なるレース以上の価値を持つイベントです。プロのキャリアを終えたレジェンドたちが、再び純粋にサイクリングを楽しむ姿。世界中から集まったアマチュアサイクリストたちが、雄大な自然の中で自らの限界に挑み、そして「光」というテーマを通じて、互いに繋がる。それは、私たち日本のサイクルロードレースファンにとっても、忘れかけていたサイクリングの原点、そして人生の喜びを再認識させてくれる、そんな特別な一日となることでしょう。
次回のレポートでは、また別の角度から、ヨーロッパのサイクルシーンの深層に迫っていきたいと思います。どうぞお楽しみに！
