ジロ2025：コフィディスはフレティンをエースに

ジロ開幕直前！コフィディスはミラン・フレティンに賭けるのか？ヤン・マースの役割とは？イタリア勢VFグループの狙い

ジロ・デ・イタリア2025の開幕がいよいよ目前に迫ってきました。ピンク色の熱狂がイタリア全土を包み込むその前に、各チームの布陣が続々と明らかになっていますね。今回は、特にフランスのコフィディスと、地元イタリアのVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネという、ワールドツアーとプロチームそれぞれの立場で、ステージ優勝を虎視眈々と狙う両チームの戦略に迫ってみましょう。

コフィディスのスプリント戦略：好調ミラン・フレティンに集まる期待

フランスのコフィディスが今年のジロでまず勝利の照準を合わせているのは、ベルギー人スプリンターのミラン・フレティンです。彼はジロ初出場となりますが、今シーズンはすでに3勝を挙げ、その勢いは本物。クラシカ・デ・アルメリアでの勝利に始まり、ヴォルタ・アル・アルガルヴェでのステージ優勝、そしてロンド・ファン・リンブルフでも勝利を掴んでいます。さらにクワールネ～ブリュッセル～クワールネ（10位）、ダニリス・ノケレ・クールセ（4位）、ブレデネ・コークサイデ・クラシック（9位）、スヘルデプライス（4位）といった、スプリンターにとって重要なレースで安定した成績を残している点も見逃せません。

彼のこの好調ぶりを見れば、チームが彼をエーススプリンターとして起用するのは当然の流れでしょう。コフィディスは近年、グランツールでのステージ優勝から遠ざかっているだけに、このフレティンの勢いに大きな期待を寄せているのが手に取るように分かります。ただし、今年のジロにはワウト・ファンアールトやマッズ・ピーダスン、そして同じベルギーの若手であるオラフ・コーイといった強力なライバルたちが集結する可能性が高い。そうした強豪たちを相手に、ジロの混沌とした集団スプリントで彼がどこまで通用するのか。「なるほど！」と思わず唸ってしまうような、意外な展開を見せてくれるかもしれませんね。

ヤン・マース、そしてチームメイトたちの献身

ミラン・フレティンが勝利を掴むためには、チームメイトたちの献身的なサポートが不可欠です。今回ジロのスタートリストに名を連ねているのは、ヤン・マース、シルヴァン・モニケ、ヨナタン・ラストラ、ステファノ・オルダーニ、アントニー・ペレス、セルヒオ・サミティエル、そしてNicolas Debeaumarcheといった面々。チームの声明でも、「スプリントで終わるステージでは、チーム全体が彼をサポートする」と明言されています。

特に注目したいのが、ヤン・マースです。彼はチームから「模範的なチームメイト」と評されており、その献身的な走りには定評があります。集団前方での位置取り、最終局面での牽引など、目立たないながらもスプリンターを勝利に導く上で欠かせない役割を担うことになるでしょう。ヨナタン・ラストラやNicolas Debeaumarcheも同様に、主にアシストとしての役割を担うと見られています。

一方で、このチームは単なるスプリントトレインではありません。セルヒオ・サミティエル、ステファノ・オルダーニ、アントニー・ペレス、シルヴァン・モニケといった選手たちは、自身も単独でのアタックや、小集団での逃げ切りからステージ優勝を狙える力を持っています。特にオルダーニは、過去のジロでも逃げから見せ場を作った経験があります。彼らが自身のチャンスを活かすことで、チーム全体の存在感を高め、結果的にエースであるフレティンへのマークを分散させる効果も期待できます。「確かに！」と膝を打つような、多角的な戦略が展開される可能性は大いにあると言えるでしょう。ケガで欠場となったピエト・アレガートという強力なアシストを欠くのは痛手ですが、残りのメンバーでその穴を埋められるか、腕の見せ所です。

地元イタリア勢、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネの攻撃的な布陣

そして、地元イタリアのプロチームであるVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネも、もちろん黙ってはいません。彼らはワールドチームとは異なるプロチームですが、毎年ジロではアグレッシブな走りで地元ファンを熱狂させてくれる存在です。今年もステージ優勝を最大の目標に掲げています。

チームの中心となるのは、多才なフィリッポ・フィオレッリでしょう。彼は過去のジロでもステージ優勝にあと一歩まで迫った経験があり、スプリントもこなせる万能性が魅力です。また、スプリントではエンリーコ・ザノンチェッロも有力な選択肢となります。彼は今季も好成績を収めており、そのスピードは侮れません。「へぇ～」と唸るような、意外な局面での活躍も期待できるかもしれません。

山岳ステージや難易度の高い丘陵ステージでは、クライマーのルカ・コヴィリがエース格となるでしょう。彼は昨年のジロで総合18位に入るなど、グランツールでも十分な力を示しています。そして、今シーズンすでに複数の好成績を残しているマルティン・マルチェルージも、アタックからチャンスを掴む力を持っています。Filippo Magli, アレッサンドロ・ピナレロ, アレッシオ・マルティネッリ, マヌエーレ・トロッツィといった残りのメンバーも、積極的に逃げ集団に加わってくることが予想されます。彼らの、常に前へ前へと向かう姿勢は、見ているファンを飽きさせません。「そうだったのか！」と驚くような、大胆なアタックが飛び出す瞬間を、彼らが演出してくれるはずです。

コフィディスのスプリント特化戦略と、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネの攻撃的なオールラウンド戦略。今年のジロは、総合争いだけでなく、こうしたチームが刻むリズムもレースの重要な要素となるでしょう。特に、初出場のミラン・フレティンがどこまで通用するのか、そしてヤン・マースのような献身的なアシストがどう光るのか。そして、地元イタリア勢がどんなサプライズを見せてくれるのか。開幕が本当に待ちきれないですね！次回のレポートもお楽しみに！