ジロで発覚！カンパニョーロの新型13速
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カンパニョーロが仕掛ける次の一手か？ ジロで目撃された“13枚目の歯”
プロトンでリア12速がすっかり定着した今、イタリアの老舗コンポーネントメーカー、カンパニョーロが新たな動きを見せている。彼らのホームとも言えるジロ・デ・イタリアの現場で、なんとリア13速という驚きの新型グループセットらしきものが目撃されたのだ。これは単なるプロトタイプのテストなのか、それともロードバイクの変速システムに革命をもたらす予兆なのか？ グランツールを中心に取材する私、山田健一が、この興味深いニュースの背景を探る。
12速が「当たり前」になったプロトンに、カンパニョーロが投じる一石
ここ数年、ロードレースの最高峰であるワールドツアーを走るバイクのコンポーネントは、シマノ、スラム、そしてカンパニョーロという主要3メーカーによって占められている。そして、そのリアカセットの変速段数は、ほぼ全てが12速で統一されていると言っていいだろう。ギア段数が増えることで、より細やかなギア比の選択が可能になり、選手の脚質やコースプロフィールに合わせた最適なペダリングを維持しやすくなった。これはパフォーマンス向上に直結する進化であり、もはやプロトンでは「当たり前」のスタンダードとなっている。
そんな状況の中、イタリアの誇りであるカンパニョーロが、2025年シーズンからコフィディスへの機材供給という形でワールドツアーに復帰したことは、多くのファンにとって嬉しいニュースだったはずだ。長い歴史を持つ彼らが、この成熟したコンポーネント市場で次に何を仕掛けてくるのか、私は密かに注目していたのである。
ジロの現場で発見！ 待望のロード用13速プロトタイプ
そして今回、その「次なる一手」の片鱗が、まさにイタリア国内で開催中のジロ・デ・イタリアの現場で捉えられたという情報が入ってきた。複数のメディアやSNSで報じられているのは、カンパニョーロの最新プロトタイプと思われるグループセットだ。なんと、そのリアカセットには、これまでのロード用コンポーネントの常識を超える13枚のスプロケットが確認できるというのだ。
具体的にこのプロトタイプを使用していると見られるのは、カンパニョーロが機材供給を行うコフィディスに所属するステファノ・オルダーニ、そしてVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネのアレッサンドロ・ピナレロといった選手たちだ。画像を見る限り、これは電動ワイヤレスタイプのグループセットであり、ロードレースの主流であるフロントダブル（チェーンリング2枚）のシステムを備えている。カンパニョーロは既にグラベル用のグループセット「Ekar」で13速を実現しているが、そちらは機械式でフロントシングルが基本。今回の目撃例は、ロードバイクのハイエンドコンポーネントにおける13速化に向けた、カンパニョーロの本気度を示すものと言えるだろう。
伝統の「サムシフター」復活か？ 細部に見るカンパニョーロらしさ
さらに、この新型プロトタイプの画像から読み取れる非常に興味深い点がある。それは、ブレーキレバーのブラケット内側に、かつてのカンパニョーロのエルゴパワーレバーの大きな特徴であった、親指で操作するシフトダウンボタン、通称「サムシフター」らしきものが確認できることだ。現行の電動Super Recordグループセットではこのサムシフターは廃止され、シフトアップ・ダウン共に人差し指側のレバーで行う方式に変更されていた。
この変更には賛否両論があっただけに、もしサムシフターが復活したとなれば、長年のカンパニョーロユーザーにとっては「やっぱりこれだよ！」と膝を打つようなニュースになるかもしれない。操作感やエルゴノミクスは、変速段数以上にライダーの感覚に直結する部分。この「サムシフター」復活が何を意味するのか、非常に気になるところである。
ギア段数競争の行方と、他メーカーの動向
もちろん、リア13速というアイデアは、カンパニョーロだけが温めているものではない。過去には、SRAMがLidl-Trekの選手がクラシックレースでグラベル用の1x13速グループセット「Red AXS XPLR」をテストした事例もある。しかし、今回のカンパニョーロの試みは、ロードレースの最も一般的な構成であるフロントダブルでの13速化という点で、より大きな意味を持っていると言えるだろう。
ギア段数の増加は、理論上はより細かいギア比のステップを実現し、効率的なペダリングを可能にする。しかし、その一方で、チェーンラインの角度がさらに厳しくなったり、カセットやチェーン、ディレイラーといった各コンポーネントの設計に高度な技術が求められるなど、クリアすべき技術的な課題も多い。カンパニョーロがこれらの課題をどのように解決しているのか、その技術的な詳細にも注目したい。
このカンパニョーロの動きに対し、シマノやSRAMといったライバルメーカーが今後どのように反応するのか。そして、この13速グループセットがいつ、どのような形で正式に市場に投入されるのか。グランツールという最高の舞台で垣間見えた最新技術の動向は、今後のロードバイクシーン全体を左右する可能性を秘めている。機材開発の最前線から、しばらく目が離せそうにない。
グランツールの現場は、選手たちの熱い戦いが繰り広げられる場所であると同時に、こういった最新技術の実験場でもあるのだ。今回目撃されたカンパニョーロの13速グループセットが、将来のロードバイクにどのような変革をもたらすのか、私と一緒にその動向をしっかり追いかけていこうではないか。もしかすると、この先、リア14速、いやそれ以上の多段化が当たり前になる時代が来るのかもしれない。皆さんは、このカンパニョーロの13速化について、どう思われますか？ ぜひ、あなたの意見をコメントで教えてください！
